魔神になった少年　Ⅴ

　シンとエマが国を去った後、ガルドラ帝国では一つの問題が起きていた。

　『ホワイトドール症候群』から目を覚ましたエマ同様、王女であるアナスタシアもまた、古代文字を
読み解くことができるようになっていた。それを確かめた帝国の学士達は、トレジャーハンター達が集めてきた古文書を頼りに、本格的にクシュリカ文明の謎を解き明かそうと動き出す。
　その一方で、『ベルクルバルタ』へと向ったシン達と時を同じく、アルバランを旅立ったサムとリプカはヘンリーと出会い、無事にガルドラ帝国へと辿り着く。
　そして二人は、着実に帝国の国王、賢人と話を進めていくなか、ジョーカーやケイティ、スコットに出会うことで、一つの遺跡探査へと関わる事になる。
　半ば巻き込まれる形で遺跡探査を請け負うハメになったケイティとスコットが、リプカと共に遺跡を探査するその裏で、列国の王と会談を終えたガルドラの王キーリは、平和な世界に黒い雲がかかっていうくような感覚に、言い知れない不安を胸に抱いていた・・・・・・。

　　※『魔神になった少年』はシリーズものです。
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