世界の神話・異聞

全てを捨てようとする男。心に罪を置き日々を耐える女。そんな二人が出会い、お互いを生かしお互いに強くなる。決して英雄譚を描いているのではない。二人の軌跡が胸を震わせる英雄譚に、そして神話になる。きちんとした物語を読みたい方に是非とも読んで頂きたい。壮大な内容を描いている割には淡々と描写されている。にも関わらず緊張感があります。作者の努力が素晴らしく、それが文章と構成に現れています。なろうに多い、タイトルで長々と小説内容を説明しているような作品とはそれが二段と三段も違います。タケルの特徴として、意志の強さが挙げられます。それを以って大敵に挑んでいく。しかし、彼の最大の武器は周囲のポテンシャルを引き出すことで、それを文字として書かずに表現していることがより胸を熱くさせました。今や数少ない、書籍で読みたい作品です。作者様、お疲れ様でした。

ファンタジー、日本神話、魔界や天界、そして宇宙。数々の舞台で繰り広げられる化け物たちと戦うお話です。現地の人達と協力しながら人知を超えた化け物と頭脳を駆使し戦い、そして各地を渡り歩きます。そして世界で語り継がれる主人公の名前。メインキャラクターは主人公と１人のヒロインであり、徐々に相手を想い始めます。(片方のみ)

タイトル通り神話を絡めたお話です。私は1章の途中までタイトルの意味に気づかなかったんですがわかったときは思わず感嘆の声を出してしまいました。主人公は最初は本当にただの死にたがりです。しかし、この世界で化け物たちと死闘を繰り広げていくうちに少しずつ変わっていくことがあります。常に冷めている部分が大半を占めている主人公なので最初はちょっと微妙かなーと思っていたのですが読んでいくうちにただ冷めている主人公の中にもいろいろな想いがあることを知りちょこちょこ読み進めていたらいつの間にかはまっていました。あとヒロインとの絡みが良い。少しずつ恋愛も味を出してきているのでそこにも期待できます。神話などが大好きな方はもちろん、そうでない方も是非一度読んでみてください。

最近の小説家になろうによくある、異世界転移や主人公「Tueeee」でした !!!ですが!!! ただの異世界転移や主人公「Tueeee」ではなくよくある神様からチートを貰いハーレムをするのではなく死にたがりの主人公が戦いの中で少しずつ変化し「ありそうでなかった」各地の神話を巡り、英雄たちと謀り、協力し、英雄も民も主人公も共に勝利をつかみとリ、その名を残し力を得ると言う作品です。今の小説家になろうに少し退屈してしまった人や神話が好きな人に是非とも読んでみてください。