評価:★★★★☆ 4.3
不登校になった高校一年生、竹内徹(たけうちとおる)が知人の働く神社で出会った不思議な人物。
友情をはぐくむうちに、徹は自然と立ち直っていく。
それがなぜだったか、種明かしは大人になってから。*短編形式でアップしてしまった「長秋神社のおかしな神主」を少々改稿し、連載化しただけです。
読了済みの方はスル―ください。「長秋神社」にご感想、評価いただいた方々、心から感謝申し上げます。
話数:全13話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
不登校の高校生×神憑りで幼児化した神主どうぞこの2人の温かい心の交わりに癒されてください。神主が子供に……なんて突飛な設定! と、のっけから驚かれるかもしれませんが、不思議と何の違和感もなく2人の世界に溶け込み、素敵なキャッチボールを堪能することができるでしょう。(表の話がどれほど素晴らしいかは割愛します。読めばわかる)そして最後に気付いてください。「このお話の終了条件」を。「決めていたんだ」から始まるセリフを。これって一人が決めていたの? 全員で決めていたの? もしや最初から知っていた?と思う時、父親から空手の師範を経由して始まるこの不思議な物語の裏側は、学校の担任に至るまできっとそういうことだったのだ、と思わずにはいられません。だからこの作品は2回読んでほしいのです。そこにある子供を見守る大人の目は、もはや現代日本には存在しない理想郷に他なりません。秀作です。
物語の舞台は、神社。そこの神主さまに神様が取り憑いた。その振る舞いは、無垢な子どもそのもの。 物語の主人公は、高校生。そのモノの知識が足りなかったがために、現在不登校中。 そんな、危うい状況のふたりが、必然的に出逢ってしまう。 見た目は神主さま、そこに怪訝さを感じながら。しかし、子どもの神様と時間を共にしていくうち、不登校の発端を吐露する優しき主人公。胸が苦しくなる。 知らない……は罪ではない。今、知れば……いい。その想いからの神様の行動に、こころは温かくなる。 神様の想いは主人公のこころに、どう響くのか? 主人公は立ち直り、前を向く事ができるのか? ラストシーンでの、ふたりのやりとりが、幸せだったと語りかけてくれるようだ。 登場人物、皆が優しい、こころ温まる、神様ストーリーなんて、如何だろう……。