評価:★★★☆☆ 3.1
*死を望む人々の怪談*
生きている意味を感じない。でも死ぬ勇気はない。
惰性的な人生を過ごすフリーター、八原理人(よはら まさと)は、駅前で「死想教室」のチラシを受け取り、無料体験講習を受けることにした。
廃ビルの一角で行われる自己啓発セミナーには、死を望みながらも一歩を踏み出せない人々が「理想的な死に方」の講義に耳を傾けている。
"死想"を語る講師、夢羽志(むわ しるす)に猜疑心を抱いた八原は、講義終了後にこっそりと後をつけてみたが……。
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*狂った死生観を取り扱っています。精神状態に不安のある読者様は閲覧をご遠慮ください。また、本作は自殺や犯罪および国民権利の侵害を推奨・容認するものではありません。
*夏のホラー2018年参加作品。内容は和とも洋とも言えませんが、和ということで提出しています。
話数:全2話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:R15
何故、ここまで注目されていないのかが不思議なほど、最初から最後まで面白い。文章の書き方も高レベルだと思うし、話の運び方がすごくスムーズ。短編だけどちゃんとキャラクターが立ってるし、その立ち振る舞いもすごく自然。出版されているホラー短編集に収録されていてもなんら違和感のない作品です。何より、人が恐れる「死」がテーマですが、普段生きている中では気付かない、というより気付きたくない感情とその裏側が、うまく描けていると思います。読んで損はない良作です。