評価:★★★★☆ 4
こことは似て非なる世界、その時代の変遷期。
新政府は財源の確保を名目に、神々が住まうという禁山や霊域を暴き始める。
だが、異形の神、異神が実際にそこにいた。
眠りから目覚めた彼らは各地で暴れ始め、生まれ変わるはずだったその国はおおきく破綻しようとしていた。それに前後して、かつて因習によって異神の花嫁に仕立て上げられた少年、海城澪はその種子を体内に取り込んだことにより、『深層世界』と呼ばれる神の回廊に介入する能力を手に入れた。
その力に目をつけた軍部に異神を討伐のために利用され、かつ嫌悪されていた彼だったが、対異神組織『賢木の枝』に配属が決まった。
そこで出会った天才剣士、東雲霧生と出会ったことで、凍り付いていた心が徐々に解きほぐされていく。時代という海の潮目にすべてを喪った美少年と、ちょっと人の心がない天然剣客。
その出会いの物語。※一応カクヨムにも投稿
話数:全11話
ジャンル:エピック・ファンタジー 異能バトル
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:明治
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:R15
古い因習やオリジナルの和風な世界観、様々な設定の数々、海がテーマであろうそれを想起させる文章は時に凪の様に繊細で、時に荒波の様に重厚で、また、その中でも、コミカルな登場人物のやり取りの数々が読み手に、深海の様な没入感を与える作品となり、そしてまた澄んだ水の如く綺麗に締めています。 しかしながら、映画等にある続編を匂わせる終わり方故に、もし、続編があるならば、是非、この先も読みたいとさえ思ってしまう作品となっており、海や水を思わせる描写があるが故に読者に泡沫な気持ちを与える、作者のトリックともいえるのかもしれません。