評価:★★★★☆ 4
会社をリストラされた月林雄太は、その帰り道に異世界召喚に巻き込まれてしまった。
勇者に相応しいスペックを召喚高校生達が見せる横でフォロー不能の外れスキル「不健康」「ぎっくり腰」を発現させた雄太は金を渡され放逐されてしまう。ならば現代知識チートだと一念発起するも、襲われ金は奪われて。
冒険者なりあがりを夢見る前に、不審者扱いで王都追放。一体俺が何をした!
叫ぶ雄太をクスクス笑いながら見るは一人の少女。やさぐれ雄太に追い討ち攻撃。
雄太を踏みつけながら言うことには、少女はどうやら邪神様。「養ってあげるから、私を信仰する村を作りなさい」
そうして始まった異世界開拓スローライフは、雄太にほんの少しずつ幸せをもたらしていく。
【アルファポリスさんでも投稿しています】
話数:全142話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
それは2点の願望を根底とした幻想ではないだろうか。1つは人間関係などのしがらみや、陳腐化し尽くした数多の希望など、現世に降り積もった重い何かからの解放。1つは現世が失った大切なものの再生。私はこの作品について、特に後者の意味で最高の作品の一つだと考えている。数多の異世界転生物語が産み出されたが、この作品ほど根元に近いと感じるものは無い。異世界転生に必要なものはお手軽チートと簡単な勝利だろうか?あるいは気に入らない他人を余裕で打ち負かす爽快感だろうか?私はそうは思えない。正当な対価と報酬。言ってしまえばそれだけのことだったのかもしれない。人に与えたかった。人に与えられたかった。人に認められたかった。人を認めたかった。人に愛されたかった。人を愛したかった。真心と呼ばれたような、現世から失われた何か。この作品でそれを思い出させられた。