評価:★★★★☆ 4.4
これは13世紀ハーメルンの街を舞台に織り成す愛憎と復讐の物語。魔法の笛と、魔性の復讐者が奏でる音色は、静かに激しく燃える。――グリム童話とドイツ史をベースに織り成す、ダークファンタジー!
グリム兄弟による童話集の成立は19世紀。各地に点在した民話や民謡、伝承を編纂し、児童向けとして出版された作品集が、いわゆる現在のグリム童話。では、基になる伝承を語りはじめたのは、誰なのか。
ここに語られる物語は虚構かもしれないし、真実かもしれない。◆注意◆短編集ではありませんので、上から読むのが正解です。残虐描写や虐待・暴力シーンございます◆注意◆
話数:全35話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
舞台はハーメルン。奇妙な運命に導かれ、人々の愛憎が絡み合う。次第に明らかとなる真実。迫られる選択。それに伴う葛藤。魔法の笛に魅入られた者の末路とは……。残酷ながらも美しい、異色のダークファンタジー。この作品の魅力は、突き詰められた人間性だと思います。窮地に追いやられて知る世界の本質。どうしようもないからこそ、憎み、縋り、壊し、愛する。登場人物の心情は、物語における見どころの一つです。綿密に組み込まれた構成にもご注目を。モデルとなった童話の面白さを損なわず、尚且つオリジナル作品として素晴らしい展開がなされています。気が付けば物語の深みに誘い込まれていることでしょう。どろりとした絶望がクセになる、愚裏夢の物語。是非ともおすすめです。
グリム童話をベースにしたダークファンタジー。「本当は怖いグリム童話」を彷彿させる。童話であり、歴史であり、ファンタジーでもある。 重い雰囲気や暗い話が苦手な人は無理だろうが、逆に、その手の話を好む人は是非読んでほしい。 灰かぶり姫・ヘンゼルとグレーテル・ハーメルンの笛吹といった有名な童話を使って紡がれるファンタジーは、残酷でありながらも美しい。まるで、笛吹に誘われるかのように詩的で美しい文章も魅力。 ネタバレしてしまうと面白みが半減してしまう本作について、ここで語れることは少ない。 綿密に練られた物語の構成と深い人物造形に終始鳥肌が立ちました。なんだこれ!なんだこれ!と心が叫ぶ。 個人の好みを述べると、笛と呪いの王子だけでご飯が食べられる。 ネット小説大賞ピックアップ作品という謳い文句に誘われて読みましたが、これは是非、書籍化してほしい。紙媒体で手元に置きたい傑作です。
一番最初から最後まで、驚きの内容になっている。詳しくは本編を見てもらって方が伝わるだろう。ここで伝えきれない程の面白みがある。それに裏打ちされた文章力の高さや物語の洗練さはまさに、ダイヤモンドの輝きのようである。 グリム童話をベースとしている。それを感じさせないほど、斬新であることもこのレビューに書いておこう。是非、読んでみることを勧めたい。
今回は「愚裏夢奇譚 -笛吹きたちへ贈る葬送曲-」をレビューしたいと思います。みんなー! ダークファンタジーに餓えてないかい? 人が(主にヒロイン)死ぬ作品に餓えてないかい? さらにさらにグリム童話に餓えてないかい?そんなあなたにおすすめの一品が本作!(テッテレー)ネタバレ無しのレビューでいくと大体、上記の内容になります。が、ここで個人的に推しておきたいのがですね、緻密な心理描写なのですよ! 何故そのキャラはそのような行動をとるに至ったか。何故そのキャラはそういった性質(性格)を持つのか。ただのキャラ萌え小説とは違って、そこらへんがすごくしっかりしている。そんなシリアス×ダーク×ファンタジーいかがですか?てか、みんなもっとシリアス読もう? 文学性のある作品読もう? ラノベ調もいいけどシリアスだっていいんだよ……!(全力でシリアス作品を推していくスタイル)