評価:★★★★☆ 4.4
触れられない両手を、言葉や服に代えたとしても。
大正後期。晴れて夫婦となった沙耶子と竜治は、選んだ道をしっかりと踏みしめ歩いていた。
幸せな日々には違いないのに、周囲の歩む速度は二人のそれよりずっと早くて。
帝都の木枯らしが新たな出会いを運び、二人の生活に再び、波風が立つ。甘えたな年下男子×姉御肌の年上女子を描いた『触れず愛でませ、ハイカラ男子』の続編。
こちら単体でも読めます。全二十話ちょっと。
話数:全24話
ジャンル:ヒーロー・アクション
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:R15
平成をさかのぼること百数十年、一組の若夫婦がおりました。 仲睦まじく、同時にぽつりと苦悩を抱え。 それでも二人は幸せでした。 帝都東京のせわしない毎日も、何ということはありません。 時は大正。 一刻一刻、時代という名の歯車が廻りゆきます。 ハイカラという名の西洋が、江戸の名残に混じりゆく。 そう、それはまるで絵の具の色が重なるようにも思えます。 男女の想いもまた同じなのかもしれませぬ。 お互い異なる色彩の人生が、何かの弾みで重なり合う。 混ざり合う。 やがて新たな色となり、無色の未来をカラアリングしていく。 私はそのように考えるのです。 さて、幕間の戯れ言はこれくらいに致しましょうか。 贅沢な恋愛キネマの銀幕が、そろそろ上がりますれば――どうぞ、あなたも存分にお楽しみくださいませ。