評価:★★★★★ 4.5
地方の進学校である北西高校に入学した彩羽(いろは)は入学式の日、麻友と正人という二人の友人を得る。最初はただ、なんとなくお昼休みに集うだけの三人であったが、次第に交流を深め、お互い信頼しあう関係となっていく。
そんなある日、その三人の住む小さな田舎町を揺るがす大事件が起こった。
その事件のさなか、麻友が失踪した。
事件から半年が過ぎたころ、正人は彩羽に事件の真相を語る。
一方麻友もまた、驚くべき変貌を遂げて彩羽の前に現れ、別の角度からの事件の真実を語る。※アルファポリスにも投稿しています。
話数:全31話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
人の裏側を描かせたら天下一品の作者さまが送る当作品。高校生たちの揺れ動く心の動きに目が離せません。高校生活というものは「友情」だけでは成り立たず、そこにはかならず嫉妬や羨望といった負の澱のような感情が沈殿し、あるいは青春とはそのような澱の蓄積の上に「友情」やそこから先の「未来」を築くものなのかもしれません。本作の主人公は、どちらかといえば傍観者的立場にいます。そして、事件は主人公の周りで起こり、友人たち、大切な友人たちが巻き込まれていく。彼らはその時何を思い、何に憤り、そして何に憧れ、何を歪ませ、何に気付き、そして、どこへ向かっていくのか。彼らの重たい経験が彼らの礎となり、そして立ち上がっていく彼らの後ろ姿に、読了後は応援の気持ちが湧きだします。若者には未来がある。私はそう、信じたい。