評価:★★★★☆ 4.4
武 頼庵さまが様々なあらすじを提供してくださった企画の参加作品です。「あらすじ1」をもとに物語を考えました。
〜あらすじ〜
小さい時から隣同士に住んでいる二人、夏樹と理沙。
小学生まではいつも二人で遊んだり、お互いの家を行ったり来たりして親同士も仲が良かった。
お互いがお互いを[想っている]。口には出さないけどソレが分かっていた。その生活も中学生になった途端に突然変わる!!
理沙が突然失踪したのだ。地域一帯を捜索されても見つからず、全国にまで範囲を広げても見つけることができなかった。
それから5年…。
進学校とは言えない高校に進学して3度目の春。
彼女は突然現れた。
転校生として…。※10/27 「初恋」企画にも参加させていただきました
話数:全19話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
幼い頃から一緒に遊び、想いあっていた夏樹と理沙。「アイン ツヴァイ ドライ」ドイツ人の母を持つ理沙は、ドイツ語でそんな「呪文」を唱える。その理沙が失踪し、そして高三の春、ある日突然、夏樹の高校に姿を現した。「人間は、秘密は抱え込めないようにできているんだよ」京都への自転車での逃避行の帰り道、理沙に口付けようとした夏樹に理沙はある告白をする。理沙がドイツ菓子・シュトーレンに秘めた「秘密」とは何なのか。そしてラストに、「シュトーレン」を巡るもうひとつの大きな「罪」が明らかになる。その意外な結末に読者は足元を掬われたように、呆然とするだろう。物語は、日本とドイツを舞台に、作者さま特有の耽美なそれは美しい描写で、キャラの心理面も情景もとても丁寧に語られている。是非、「小春節」で紡がれたこの心優しくも切ない恋物語の余韻をお楽しみ頂きたい。
家が隣同士で両思いだった夏樹と理沙、しかしそれを互いに口には出さない。 親同士の仲も良く、互いの家を行き来する程の仲、二人は幸せだった。そんな幸せがいつまでも続くと信じて疑わなかった。 しかし、そんな幸せは中学生に上がる時に、唐突な終わりを告げる。 理沙の失踪。 どれだけ必死に探しても見つからないまま、時間だけが過ぎていった。 それから五年。 夏樹の前に姿を現した理沙。その時、 互いのいなかった空白の時間が明かされる。 ストレートな恋愛物とは一味違い、タイトルとなっているシュトーレンもこの物語においてはただ甘いだけではない一味違う罪深さを担っている。 私はこの物語のラストを読んでとても素敵だと感じた。