評価:★★★★★ 4.5
ある日突然弟ができた。ある日突然お兄ちゃんになった。
大井蒼史は父と二人暮らし。一人っ子生活を楽しんでいた小学4年の夏、突然、新しい母親が弟を連れてやってくる。
大きなピアノで毎日練習する紫乃。
ピアノはどんどんとうまくなるのに、勉強もできないし道も覚えない。今まで怒られたことのないわがままな蒼史が、「お兄ちゃん」として成長していこうと努力する。
そして、夢を見ることをやめ、ひたすら紫乃のためだけに働くのだとすべてを我慢しようとする。
そんな凍った心を溶かそうと、中学の担任は尽力するが、最後まで素直になれない蒼史。
—カクヨムに投稿中—
話数:全21話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
ある日突然お兄ちゃんになった・・・。母親の死をまだ受け入れられていない少年のもとに、ある日突然、新しい母親とその息子がやってきた。しかも、その息子は、少年とはたった3日誕生日が違うだけ。そして、その日から少年の生活はがらっと一変してしまう。それこそ、将来に影響を及ぼすほど。小学校から中学、高校、大学、社会人へと、多感な時期を経過し、その間におこったさまざまな出来事や想いを通じ、少年は青年へと成長してゆく。が、心は昔のまま。障害をもった血の繋がらない弟、この弟の才能を伸ばすために自分の才能には気がつかない振りをし、夢をももたぬよう努め、あらゆる我慢と義務とにがんじがらめにされる主人公。その苦悩は、読んでいて幾度も涙し、声援を送りたくなるほどだ。感動のラストは、心から「よかったね」と、主人公とその弟を抱きしめたくなってしまった。夢とはなにか、を教えてくれてありがとう・・・。