評価:★★★★☆ 3.9
魔王を倒し世界を救ったという栄光も今は昔の話。勇者クリストフ=ウィルフォードの人生は、もひとつパッとしていない。ついに離婚届に判を押し、晴れてバツイチとなってしまった。
それでも明るく彼は台所に立つ。何故って? 趣味の料理を好きなだけ出来るから。
「ほら、持ってけ。残さずちゃんと食べるんだぞ?」
から揚げ、だし巻き卵、アスパラベーコンの弁当を渡す相手は、可愛いけれどポンコツな聖女。訳あって今は偽装婚約中。
「はーい、ありがたくいただきますー」アラサー料理男子と食べる専門の女の子。ちょっと変わった同居生活から始まる、美味しく楽しくたまにしんみりとした物語。
話数:全145話
ジャンル:料理モノ
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
勇者といえば、エクスカリバー。しかし、本編の勇者は、モンスターにエクスカリバーを振るうより、食材にエクスカリバー(包丁)を振るっております。過去には、モンスターに振るわれていた剣の冴えそのままに、戦場(台所)にて、包丁が冴えわたっています。欠食児童(聖女。家事は苦手で食べるだけ)となんやかんやで噛み合った、破れ鍋に綴じ蓋コンビのドタバタを楽しめます。
この物語は巷に溢れている料理を題材にした異世界物である。 そう言い切ってしまうとそれで終わりだ。でも個人的にはここから言葉が繋がる。 最初タイトルを見た時、『どんな作品なのだろう?』と、勝手に思いを膨らませた。でもどう考えてもピンと来ない。ならば読み進めて内容を理解すれば良い。 読んで思ったことは、『懐かしい……それでいて食べなれているのに飽きない感じのする作品』だった。 登場人物が食材で、その人物たちが色んな料理を醸し出す様な……でも出来上がる料理はどれも家庭的で優しい味なのだ。 だから続きが気になって読むことを止められない。 何より見てて気持ちが暖かくなる。 今の時期に持って来いな絶品の一品です。 もし良ければ一度ご試食のほどを。
勇者として活躍していたクリスが偽造結婚という形で聖女エミリヤと一緒に美味しく食事を味わう、と一言で纏めるならばこれだろう。 しかし毎回のことながらクリスが調理していき、どれも喉が鳴るほど美味しそうな描写に料理は是非とも食べてみたいものだ。 調理の仕方から最後まで詳細に描かれているので、こうして見るといかに料理は大変手間がかかっているのかわかる。 本音を言わせてくれ。クリス、私も君の手料理を是非食べたい!! この物語は勇者が戦闘することなく、居候の聖女エミリヤのために料理を奮って舌を満足させてしまうものである。