評価:★★★★☆ 3.7
自己嫌悪の念に苛まれる15歳の主人公は、砂漠の中にそびえ立つ白亜の塔に突然迷い込む。
そんな彼に降りかかったのは、黒いモヤに覆われた「影」による恐怖。
自称・女天使のヘリオンより啓示を受け、塔の最上階に辿り着くことによって脱出できることを知る。
一日中、澄んだ青空。
綺麗で不気味な世界。この天国とも地獄ともいえない世界──『辺獄』に迷い込んだ理由を追いつつ、知り合った黒ドレスを纏う銀髪の少女と協力して敵を倒しながら上に向かう。
最上階である49階に於いて、主人公と少女の2人にとって最大の障害が立ちはだかる。
これは自分の人生に向き合う、少年の成長の物語。
※この作品はカクヨム様にも掲載しています。
5000PV突破しました。感謝です。
話数:全17話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
特段取り柄のない主人公に、美少女の助っ人。そして見上げれば白亜の塔に、迫りくる影。そして主人公は、天使を名乗る存在から一見理解しがたいことを告げられる。――この世界は、辺獄であり、主人公の心象世界である、と。階をあがるにつれ、敵である〝影〟の強さは増し、時折主人公のトラウマを刺激する。少女は華奢な身体の割に強く、敵を薙ぎ払っていく――「また助けられたな」そう感謝し、連帯感を持った彼女は、非情にも主人公に最後の試練を与える――。永遠に来ない〝何時か〟に自分を閉じ込める、という表現が、自分の過去と照らし合わせてもしっくりきました。理想の自分になれなくて、悔し涙を流す全ての人に読んでほしい傑作です。
必要最低限の登場キャラクター、文体、そして心象世界という題材。様々な要素が他のライトノベルとは一味違うと囁きます。 心理描写に特に重きを置いた文芸というのは私の読了時の所感でありますが、さらにその心理描写を戦闘描写と掛け合わせながら行う技術には驚かさせられるばかりです。 勿論読者には読了時に新鮮な風が吹きかけられるでしょうが、私としては作家にこそ読んで欲しい作品です。昨今のなろう系小説とは一線を画すこの作品を読めば、きっと貴方も新たな作品へ執筆の腕が伸びるハズ。
展開に次ぐ展開で楽しませてくれると共に、より深い要素が散りばめられ、ただのライトノベルではない作品です物語の要素が何を意味しているのか?登場人物も、ただ登場人物というわけではなくて…どんな謎が隠されているのか、また、その謎そのものも魅力的で、考えてまたゾクゾクできます!最後にどうなるのか、予想のできないワクワがたまりません!