評価:★★★★☆ 4.1
私はマオ。『開花路(カイホーロ)』という街の、とある路地の一角に事務所を構え、探偵をやっている。刑事からの事案、人々のごたごた、それに恋愛相談等、なんでも請け負う立場にある。否、請け負ってしまうと言ったほうが適切だろう。どうにも私はヒトがいいようで、どんな案件でも持ち込まれた以上は引き受けてしまうきらいがある。とはいえ、暮らし自体は気楽なものだ。サービス業である分、利益率は高い。日がな一日をのんびりと暮らしていく分には充分な稼ぎが得られている。誰にも縛られない、また誰にも何も強制されることもない探偵業を、私はそれなりに気に入っている。
※『スカーフェイス・メイヤ』へと続く。
話数:全204話
ジャンル:探偵小説
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
マオという、非常に探偵業に向いた男性が主人公の物語です。探偵業に向いた──観察眼や伝手もそうですが、何より信念に基づいた「優しさ」を持っているのです。だから「警察官」ではなく、「優秀な探偵」なのです。金髪美少女メイヤを助手に、今日もマオは『開花路(カイホーロ)』の街を往く──。マオが直接事件に関わらなくても、事件のほうからマオに出向いてくる感が否めません。そして、そんな事件に対し人情を持って、優しく解決に導いていくのがマオ流です。ときには残酷な一面も見せ、ときにはメイヤと色気のある場面も見せてくれる。バラエティに富んだ、飽きがこないヒューマンドラマです。一般の推理ものとは一味違った、趣のある作品の扉を開いてみませんか? つい先へ先へと読み手をいざなう、素敵な探偵の物語です。
殺し、人身売買、薬等。小説の舞台『胡同』に当たり前の顔をして居座る所謂『悪』そんな悪に立ち向かう話!だったらヒーローものなんですが、この話はそうではありません。街に住む主人公の探偵マオは、自分のところに転がってきた依頼を淡々と解決していくだけ。そんな彼の元にとある事件がきっかけで、金髪美少女のメイヤが転がり込み、探偵助手に自薦する、というのが最初のストーリー。理不尽は『胡同』でなくとも、私たちの周りにいくつもあって、それにマオ独特の優しさで対処していくところが魅力。そしてメイヤはマオと違った純真な視点で事件を見つめ。じゃあ現実で私は如何するの?といつも考えさせられます。読み進めていくと不思議と自分も優しくなれる。マオは自分の信ずるところにより振る舞えばいいと教えてくれるし、メイヤは大人でも怒ったり泣いたりしていいんだと言ってくれる。そんな二人が私は大好きでオススメです。