評価:★★★★★ 4.5
平凡な地球人、久坂 灰人。
彼の得意な事と言ったら、“ゲームをする”事。
他には特に取り柄のない彼は、ある日、大迷宮【重積層迷宮都市ラトレイア】へと迷い込んでしまう。迷宮を彷徨う事も程々に、異形のロボットに追い掛けられ、既の所で熟練の探索者パーティに助けられた彼は探索拠点都市へと誘われる。
妙に親切な人々、どこともわからない異世界、そんな先行きの不安さに憂慮していると、どう言う訳か、獣耳大正メイドさんが『なかまに なりたそうに こちらをみている』「どうなっているんだこの世界は……」
やがて、ラトレイアでの日々を過ごす内に目的を見出した彼は、保護監督官サクラと龍血の姫リシィ、その侍従テュルケと仲間達と共に、前人未到の大迷宮【重積層迷宮都市ラトレイア】へと挑む事を決意する。
対人関係ではあまりギスギスしない、気持ちの良い物語を目指しています。
筆休め、読み休めに腰を落ち着けて読んで頂けたらありがたいです。宜しくお願いします。
話数:全20話
ジャンル:アドベンチャー
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
重厚感溢れる世界観が魅力のこの作品。その幕開けとなる《序章》は、そこを読んだだけで、非常に引き込まれます。まさに、壮大な幕開けに相応しいと言えるでしょう。シリアス展開もある一方で、可愛い女の子が登場するなど読み手が馴染みやすい工夫も施されており、作品としてバランスが取れていると感じます。じっくり読み込みたいという方には満足していただけると思いますし、ライトに読みたいという方にも無理なく読み進めていただけるかと思います。とにかくハイクオリティな作品です。少しでも興味を持たれましたら……ぜひ、読んでみて下さい!
ファンタジーとSFが融合した世界観、そう多くはないものの前例がないというわけではないという作品群だろう。だが、数が少ないという事は必然、作品としての難易度も非常に高いという事だ。そんな中で本作は緻密な設定と、納得のいくストーリー展開、巧みな文章による表現力によって作品の完成度が非常に高い素晴らしい作品であるといえるだろう。主人公、灰人は重積層迷宮都市ラトレイアと呼ばれる異世界に突然迷い込んでしまう。そしてそこに現れたのは生態部分と融合した醜悪なロボット、もはやこれまでという所で彼は探索者と呼ばれる者たちに助けられた。そして、自身が迷い込んでしまったラトレイアを知る。それはこれから始まる物語の序幕に過ぎなかった……実に作品にかけられた熱量が桁違いなのだと感じる。それほど作品に対する作者様の真摯な思いを一読者の視点から感じることができた。そんな本作、是非とも如何かな?