評価:★★★★☆ 4.3
ピアニストには色んな人種がいる。
いや、ピアニストに限ったことではないが、彼はその中でも変わったピアニストだった。
誰もが羨む力があっても活かそうとしない。
勿論、本人の力をどうしようと本人の勝手なのだが、一人の少女はそれが我慢ならなかった。
その少女は彼と同じ師を仰ぐ一つ年下の先輩。
彼にどれだけ言っても響かない様子に少女はコンクールを前についに業を煮やし苦言を呈す。
これはそんなお話。
話数:全3話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
この物語を彩るのは二人のピアニスト。自分の力に鈍感な男の子と、誰よりも努力してきた女の子。正直に言えば、第一話を読んだときに、ありきたりなツンデレではないか、と思わされた。だが、それは誤解であり、私は強く恥じることになる。時に私たちは男女の間の中を安易に色恋に結び付けたがるが、このような勝負と感性の世界においては、より複雑な、意地や好悪の関係で結びつく絆もあるのだろう。だからこそ、彼女の告白には、胸を打たれる。その想いが向かう先を、彼が導く答えを、ぜひ、見届けてほしい。最後に、本作は非常にピアノ、音楽の描写が巧みである。技術だけでなく、曲のイメージが伝わってくるほどの綺麗な文章。いつか、ピアノを題材にした作品を書きたい人は、ぜひ、参考にしてほしい。私は必ずする。
みなさんは他人の才能を妬ましいと思ったことはありませんか?そしてそれを活かそうとしない人を憎らしいと思ったことはありませんか?この作品は、類まれなるほどのピアノの才能がありながら、まったくやる気を出さない主人公と、その主人公を心底軽蔑するヒロインのお話です。全国でも有名なピアノの先生のもとに通う二人。マンツーマンのレッスンのため、次の生徒が教室の前で待つのですが、主人公の次には必ずヒロインが待っています。悪態をつきながらも、主人公の次には必ず彼女が予約しています。なぜ、彼女は嫌いな主人公の次にいつもいるのでしょうか。なぜ、彼女は主人公をいつも軽蔑しているのでしょうか。その理由をぜひご自身の目でお確かめください。また、この作品はピアノを扱っておりますが、その美しい旋律が聴こえてきそうなほどの良作です。ぜひ、その目でお聴きください。
ピアノ好きの皆さん、恋愛小説好きの皆さんに必ず読んでいただきたい作品が、ここにあります!全3話で描かれていくストーリーですが、1話あたりの文字数も大ボリュームで御座いますので、読書好きの方にも気に入って頂けること間違いなしであります!さらに読み進めていけばいくほど、世界観の素晴らしさを体感することも出来ます!是非皆さんご覧になってみてください!