評価:★★★★☆ 4.4
小中高と不登校、大学も中退。グダグダな人生を送っている引きこもりの天見とうま(19)は、故郷の新潟を出て山形のブラック農家「赤根農園」に就職する。
スーパーへの出荷、野菜の収穫、終わりの見えぬ袋詰め地獄……さらには仙台のイベントで産直販売。初めての仕事にも必死に食らいついていく天見。腐っても農業高校卒だぞ、なめんなよ!
スローライフの「ス」の字もない厳しい大自然に、テンションの高い男たち。重労働と笑いと涙と山形の美味しいご飯。景色も文化も方言も違うなんて、引きこもりには刺激が強すぎますね。早く新潟に帰りたいです。
第24回電撃大賞、第1回富士見ノベル大賞、第7回ネット小説大賞で一次通過。
マジで誰でもいいから、俺の愚痴を聞いていってくれよ。山形で友達ができなくて寂しいんだよ!
話数:全25話
ジャンル:仕事もの
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
実体験はやはり強い。ファンタシー物とは違うリアルに基づいた説得力がある。野菜を収穫した所から野菜を販売するためのPOPまで、農家で働いたことのある人にしかわからない描写がたくさんある。我々が収穫の苦労も知らずにスーパーで手軽にお金だけ出せば野菜が買えるのはこういった人たちの苦労のおかげだ。作者に確認してみたところ農家で住み込みの従業員として働いていたそうだ。こんなものを未経験の人が書けたらびっくりたまげる。この作品がネット大賞の二次選考で落選してしまったことが本当に残念である。空想で書いたものだけでなく実体験のこもったこういう作品こそ世の中の人に広く読まれてほしい。※作者様よりレビュー内容承諾済み