名ばかり女王と名無しの帝国

　22世紀、世界の3分の2を支配する『帝国』は、拡大の一途をたどっていた。欧州のとある王国では、帝国の傘下に入るかどうかで国論が二分され、国内外ともに緊張が高まっていた。
・日本で大学受験を何とかパスした女子高生の郁（カオル）のもとに、王国の外交官が現れる。「降伏文書に署名するだけの簡単なお仕事です」という誘い文句は、彼女の苦難の始まりに過ぎなかった。女王として帝国と対峙する羽目になった彼女は、激動の情勢に揉まれていく。そんなとき彼女は、ひとりの帝国軍士官の青年と出会う……
・日本から来たという少女と同級生になった、王国の高校生セリア。時代の荒波は、彼女にもありきたりな人生を送らせることを許さず、否応なしに過酷な運命に巻き込まれていく……
・王国内を拠点に反帝国活動を行う組織に属する少女ラトカ。組織の代表である彼女の父は、内部対立で過激派に捕らえられてしまう。父親を助け出すために彼女が起こした行動が、国際情勢に小さくない波紋を呼ぶ……
　少しでも、マシな未来を掴み取るために。彼女たちの歩みが交わるとき、世界は……
（完結済）