評価:★★★★☆ 4.2
「ペテン師は静かに眠りたい3」が発売されております。よろしくお願いいたします。
いかがわしいコンサルタント会社に勤めていた灰崎正義はある日、奇妙な女神によって異世界に召喚される。剣と魔法、モンスターの世界に召喚された灰崎正義は女神の話を無視して、ただひたすらに平穏な生活を追い求める。だが、それとは裏腹に、次々と災難に巻き込まれ、事態は混乱していく。唯一の武器は嘘やはったりを含めた交渉術。オーソドックスな異世界召喚モノ。
※番外編連載中。また、番外編では主人公が変わるために、タグを追加しました。
話数:全202話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
現代の詐欺師は「平穏」を求めて混迷に身を投げる、自殺をするように。安らかに生きたいと壊れたように嘯く主人公は周囲を巻き込みながら富を集め、自らに言い訳するように人を脅し、落とし、堕とす。彼の回りには打算が集まる。そう、まるで彼は望みを叶える神器のように。壊れたペテン師は嘘の神に愛された。…本当に愛されているのかも定かではない。善い主人公に飽きたなら良い主人公に酔ってみましょうか、恐ろしく現実味を帯びたダークでビターなファンタジーを楽しめると思います。
この作品においてマサヨシに人間味を感じない。友情も、感情も、あまりない。そう感じさせる描写が薄く世界が灰色に見えるからだ。『平穏に暮らす』という願いこそあるが、マサヨシはその願いにとり憑かれた機械のようなものである。むしろ見るべきはマサヨシという機械を使い欲望に生きる回りの人々だ。『権力を手に入れる』『金を手に入れる』『戦争に勝つ』『仲間を守る』『人々を救う』『他者を陥れる』欲望の名は多々あれど、マサヨシは彼等の壊れた加速装置となって事態を混迷に導いている。嘘・ペテン・詐欺に充ちた駆け引きが繰り返されて、深みに嵌まっていくような錯覚に囚われる。平穏からどんどんと掛け離れていく現状でもなお平穏を望むなどと嘯くマサヨシがどんな結末を迎えるのか楽しみである。
異世界などという非日常的な空間に放り出され、目の前には野盗らしき3人組。 ヒーローならば叩きのめして更生させるのだろう。 ヒロインならば助けに入った王子様と運命の出会いを果たすのだろう。 だが主人公の灰崎正義はどちらでもなく、ペテン師だった。 嘘とごまかしの手練手管、浮かべる微笑みは余裕をもって。等身大の人間らしくため息をついて、狂いそうなほどに苦悶し、平穏を求める。 物語の向かう果て、そこに彼の求める『平穏』はあるのか。ページを繰る手が止まるはずもない逸品である。
チートないです。ハーレムも今のところない。結構ダークな感じの物語です。チーレムに飽きたという方は是非見ていただきたい。主人公は異世界に飛ばされます。そしていきなりチンピラに絡まれます。運がない……とことんついていません。仕事を探し始めて直ぐにある仕事が見つかります。その仕事で行き着く先はノライ…隣国の戦災から逃れてきた難民を受け入れる町。強盗、殺人詐欺が絶えない。でもこの仕事がマサヨシの運命を狂わしていきます。理不尽から身を守ろうと必死に頭を使いあの手このてを出すのですが結果的には前より大きな理不尽が襲ってきます。絡まった糸をほどこうとしたら余計に絡まるって感じですね。物語の舞台は異世界のアンダーグラウンドの世界。行商人と言う名の運び屋や義勇軍、教団、殺し屋pが出てきます。ハードボイルド風。主人公の過去や主人公の親父との会話が回想で出てきます。そのやり取りも魅力的です。