評価:★★★★☆ 4.2
―― とある共和制の国。王政時代に名門として名を馳せた武闘家一家は没落し、その末裔の女《むすめ》クレオは貧しく、街の不良少年らと連《つる》むうちに彼らのまとめ役となっていた。しかし、ひとつの殺人事件がきっかけで、クレオは刑事の策略によってある島のギャングの巣窟へと送られることになる。そこで出会った島の青年ジュリアン……ギャングの一員である彼が、彼女の運命を大きく変えていく……。
※1 遥彼方さま主催「紅の秋」企画参加作品です。タイトルは、「クレナイノオキ、ユーヒモロトモ」と読みます。
※2 本文中にタイトル表示などのイラストが入ります。挿絵機能をオンにしてお楽しみください。
話数:全22話
ジャンル:エピック・ファンタジー
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
その他要素
「偽善者が……」強き少女の十八歳の誕生日。不意に浴びせかけられた言葉が、彼女クレオの人生の歯車を。狂わせてしまったのかもしれない。牢獄で出会った、熱い感情を抱かせた男。真実を包み隠すように話す刑事。皮肉な笑みを浮かべた、ソングロン随一の有力者。様々な男たちが、まるで台車に積まれたオレンジが石畳の道へと転がっていくように、クレオの人生を通り過ぎてゆく。そこに突如吹き現れたのは。「最後まで、君らしいや」妖しさも含んだ妙に穏やかな風のような青年。クレオの人生の歯車は、もしかしたら彼と出会うため、あえて狂わざるを得なかったのでは。「危険だ、行くな」紅葉、夕日、血。人生に紅(くれない)が散らつく。クレオはもう一度、その言葉をくり返した。少女の跡を追っていく先に見える真実とは?息を呑む展開が、あなたを魅了するはず。