人生の悪魔におののいて

何一つ良いことのない現実に嫌気がさして、僕は自分の想像力で友人を創り出した。
マチュニュイ、それは妄想を現実の中で形にする密教秘術。僕は自分だけが見ることのできる女性、葵を創造して、今までの陰湿な生活からの脱出を試みた。しかし僕の生活は何も変わらず、自分は僕だけの友人、葵の前で堕落していくばかりの生活を送っていた。そして一つの事件を機として、僕は己の人生を破滅へと導いてしまうことになる……

「人生には悪魔が存在する。」
主人公が己の人生に見出した悪魔とは、いったい何をさしているのか？主人公を苦しめているものは何であるのか、そして主人公が欲しているものとはなにであるのか？
人生の不条理、ニヒリズムをテーマにした、半分幻想、半分自伝の小説です！
正直、小説の形式としては、本来、小説と呼ばれているものに比べて、大きく異なっていると思います。しかし、これほどまでにも思いを入れて、小説を書き上げたことは、私にとって初めてのことでした。ぜひとも、最後まで読んで頂ければなと思っています。