評価:★★★★☆ 3.9
悪魔は幼女の「おうちに帰る」という願いを叶えるために契約した。「で、家はどこだ」「わかんない」悪魔は契約を終えるため、仕方なく自分の家がある冥界へ幼女を連れて行く事に。しかし冥界への扉を開くのは簡単ではなかった。ダンジョンを攻略したり、ボスを倒したり、アイテムをゲットしたり、魔道士を助けたり……。「どうか冥界の魔王を倒して下さい勇者様!」あれ、俺このまま幼女を連れて行ったら親分に消される? 果たして幼女と悪魔はおうちに帰る事ができるのか!? ※「pixiv」にも同じものを投稿させて頂いてます。
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
「さぁ、お前の願いを言ってみな」「ゼファー、おうちに帰りたい!」優しい悪魔と少女のお家に帰る旅は、そんな始まりで幕を開けます。やれやれ面倒なことになったと思いつつ、少女の無垢な心に悪魔も打ち解け、やがてすっかり仲良しに。それが大変可愛らしくて、緩む頰に抗えるわけもなくあえなく惨敗。くすりとしたり、どきりとしたり、早く次へと高鳴る鼓動に急かされるまま一気読みしてしまいました。彼らだけでなく個性ある登場人物、とくにディズレーリの成長の様子も短い中でも目覚ましく魅力的。そう、全七話とけっして長くはないお話で、けれど、たくさんのきらきらしたものが詰まっているお話でした。誰かのために勇気を出し、まっすぐ信じ、愛する気持ちのあったかさ。彼らの旅を見届けた最後の一行、最後の台詞を目にした時自分の大切なひとを抱きしめたくなるような、そんな優しい物語と出会えた嬉しさに満たされました。