言葉を得た猫 完結日:2018年10月27日 作者:十八十三 評価:★★★★☆ 4「大切」なのは「伝える」ことと「伝わる」こと。 ヒトの言葉を得た黒猫と平凡な少女の幕末日常ファンタジー 話数:全7話 ジャンル: 登場人物 主人公属性 未登録 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 日常 注意:全年齢対象 なろうで小説を読む
正直なところ、最後はこうなるのだろう、と予測していました。ですが。予測できる。それがどうした!とも言いたくなる作品でした。人の心に素直に入ってくる作品は、言い換えれば王道と言えるでしょう。しかし、この作品はただ王道に行くだけの作品ではありません。独特な繊細さ、巧みな描写、暖かくも切ない空気……。互いに互いを思う気持ち、そのすれ違い、迎える結末。その全てに、暖かさがあり、繊細さと丁寧さがあり。……それらを下から支えるのが、ずっと作品の空気に漂う切なさでした。どうか、あなたの心の赴くままに読んでください。読後に得られたそれは、きっとあなたのこれからの人生に、ほろ苦くも清々しい色どりを与えてくれることでしょう。
切なくもやさしい気持ちになる作品です。短い物語ですが、だからこそコンパクトに作者の伝えたい思いがぎゅっと詰まっています。喋る黒猫と少女、彼らを繋ぐ『言ノ葉』という意味を考えざるをえません。言葉を愛する私たちだからこそ、彼らの結末を今一度思い起こす必要があるのでしょう。情景描写に特化した文章ですので、綺麗な物語を読みたい方はぜひご一読してみてください!
1万字以下の短いお話だが、読み応えは間違いなくありました。不思議な作品でした。この作品には、私を引きつける何か不思議な魅力がありました。内容も分かりやすく、リラックスして読めるでしょう。短編でたまに見るグダグダした終わり方ではなく静かに幕が下される感じでした。詳しい内容は是非読んでお楽しみください。この物語の最後があなたの目には、どう映り、何を思いますか?
読了後、どうしようもない無常感が心の中を駆け巡った。名前や言霊というのは最も強烈な呪いと呼ばれるが、人の言葉を得た黒猫はその呪いを受けて人間の世界へ飛び立っていった。そこで何が起きるのか知らぬまま。そして自らの体に背負ったその代償も知らぬまま、黒猫はそこで生きあがこうとする。その黒猫につけられた名前は、まさしく定められた運命を表していた。
この物語が悲劇なのか喜劇なのか、それは皆様の心次第でしょう。 この物語の主人公は一匹の猫。猫は人と同じように言葉を話したいと思い、その願いは叶います。 そして猫は、一人の少女と出会い、心を通わせていくのですが……。そこで猫を待ち受けるものは幸せなのか、それとも不幸なのか。 それは皆様が最後まで読んでみて、決めてくださればと思います。 しかし、きっと涙せずにはいられないでしょう。 一匹の猫と、一人の少女の結末に。