評価:★★★★☆ 4.2
新谷 哲也は悩んでいた。彼は大学の哲学科に所属しており、普通の人よりも悩むという行為に慣れ親しんでいる。しかし、彼の抱えている悩みはあまりにも哲学的過ぎた。『 彼は眠りにつくと起きるのだ』
そこはイデアと呼ばれる世界で、その世界には哲学という学問がない。そして、魔法学という学問が存在する。その世界での彼はフィロスという名の10歳の少年として目が覚める。
彼は夢を介して、地球と異世界を行き来しているのだ。この物語は、哲学という学問が体系化されず、魔法学という学問が体系化された世界で、哲学者として生きる少年の話だ。
話数:全141話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:R15
“哲学って聞くとみんな嫌な顔をしますよね。でも実際はすごく面白い。ファンタジー×哲学それが合わさったらどんなマジックを引き起こす?哲学と相容れないものな気がするのに、ここに魔法がマッチする。魔法の理論がちゃんとした小説を読みたい人にもオススメだ!魔物の命を奪うのは悪? それとも自分の力を高めるためには仕方ないこと、だから善?あなたが生きているその世界は、本当に現実ですか? 夢じゃない証拠って、どこにある?──哲学とは生きるためにあるもの夢と現実を行き来する異世界転生主人公は、それを伝えてくれる。哲学って知らなくてもいいんです。知らなくてもいいけど、知ったら面白い。考えることってすごく楽しい。しかもこの小説は文体が柔らかく、たまに入るジョークがクスッとさせてくれる。こんなに気軽に読める””哲学””を、読まない手がありますか?”
哲学って、なんとなく難しい。そんなイメージを持っている人も多いと思います。何かを深く考えることって大変だし、疲れます。でも少しの時間を使って、ひとつのことを考えてみる。そうすると、今まで気付いていなかった世界の楽しみ方を見つけたり、あたらしい考え方に出会って、うれしくなる。そんな経験はありませんか。この小説は、そういった「考えること」の喜びを、できる限り「楽しく」「ポップ」に扱っていると感じました。眠りにつくと、世界が切り替わるそこは、哲学者が1人しかいない世界多様な人々、あたらしい体験、難しい問題フィロスたちの冒険にワクワクしながら、立ち止まって考える時間もある。まじめな文章とユーモアのバランスも素敵です。未来の世界に関わる「人工知能」や「遺伝子工学」など、幅広い問題に触れているので、これからの生き方を考える材料にするのも良いと思いました。