評価:★★★★☆ 4.2
ネコミミ×野生児×国物語で送る、本格ごった煮ファンタジー。
少女モノは頭に生えた猫の耳のせいで、 幼少時に島流しされた孤島でずっと暮らしてきた。
そんなある日、生き別れた家族の使いが来て、モノは生家に帰ることに。
「わ、私が公爵令嬢ですか!?」
すっかり野生児と化していたモノは、戸惑うばかり。
しかも出会った家族は、騎士団長の長男、大商人の長女、聖女の次女、そして――ネズミのお兄様??孤島を飛び出した猫耳娘は、水使いとして覚醒したり、港町を海賊から守ったり、大勢の前で演説したり。
ユニークな家族にサポートされながら、猫耳の公女は、時に強く、時に優しく、だいたいいつも可愛い。硬派な世界での可愛い活躍、どうぞご堪能ください。
(8月25日 第一章につきまして、長すぎる部分を二話に分割しました。内容に変更はございませんので、ご了承ください)
話数:全98話
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
「おまえには、よい精霊がつくだろう」その通り。モノには、よい精霊がついた。引き換えに……「やれやれ。もう十五歳だ。独り立ちする頃なんだからね」亜人の少女モノ。彼女はこうして島を出て、大陸へ向かった。 なんのことか、よくわかんないって? それはモノもおんなじだよ。―――私に、何ができるんだろう? ダメダメ。 自分で行くって決めたんだろ、モノ。 公爵令嬢として、大陸に行くと。 ジャングルを出ると、決めたんだろ。 ネズミ「来てくれるのかい」 モノ「行きましょう、お兄様!」彼女の頑張りは、やがて大陸全体を巻き込む騒動へと発展していく。だがそれは、まだ先の話だ。正確には、第3章の―――
美麗、猫耳少女。私がレビュータイトルに挙げた二つの言葉からは可愛らしく繊細な作品なのかな? とイメージする方が多いかもしれない。その印象を、まず強く否定させていただきたい。高い筆力で描き出される世界は確かに繊細だ。美しくもある。だが同時に、力強く緊迫した生と戦いが描かれる作品でもあるのだ。極彩色の仮面を被った襲撃者、打ち鳴らされる太鼓の律動、方々から反響する祈りの叫び。そして精霊術。それらが導入部で披露され、そして舞台は満を持して王道ファンタジーへと移行していく。この世界はしっかりと息づいている。独自の歴史、独自の文明を経て成り立つ、私たちの世界とは明確に異なる真のファンタジーだ。なろうに“本格派”を探すあなたにこそ、ぜひ目を通していただきたい。
物語の面白さ、奥深さについては勿論ですが、文章力、表現力の面でも素晴らしいと思います。凄いとしか言えないです。どうすればこのように素敵な表現を思いつくのかと、読んでいて不思議になります。私は小説が好きで、暇さえあれば小説を読んだり、書いたりしているのですが、今まで読んだ小説に埋もれない面白さがあります。自信を持って他人にお薦めできる作品です。ああ、もう、大好き!
魔の島で元気に暮らしていたモノ。彼女は人間ではなく山猫族という『亜人』だ。彼女と暮らしていた家族と思っていた女性は家族ではなかった。そんなモノの元に迎えに来たという人物が訪ねてきた。運命に導かれるようにモノは公女となるべく旅に出る。良く練られた構成。上手く埋め込まれた伏線。独特な魔法の解釈と細かい設定。個性的過ぎて破壊力があるキャラクター達。緊張感のある場面、展開。重厚なファンタジーであるが、しかしてどこか柔らかい。私の頭に浮かび上がったのは、宮崎駿の描く漫画版ナウシカやラピュタのような映像だった。どこかコミカルで、でも重い。個人的なイメージで語る事は、良くないのは分っているが、あの本を読んだ時の震えが来たのだから仕方がない。ピンチに思わず唾をのみ、盛り上がる場面で鳥肌が立つ。兄弟がお互いを思う心にほっとする。これは、そんな、生粋のファンタジー。
つまりは可愛いのだっ!! 主人公モノリス(通称モノ)は、銀髪褐色猫耳少女である。実は貴族の娘だが、亜人は人に有らずとの風潮から、赤子の時分に南の島へと送られる。 照りつける太陽と海に囲まれた大自然に育まれた野生児モノは、天真爛漫かつ強者に育つ。だが、貴族である父親が亡くなったことから、ゴタゴタとした騒動に巻き込まれて島を出る事になるのだが、それは読めば分かる。 彼女には強烈なキャラクターを誇る兄妹が四人いるのだが、それも読んでいただければ分かる。 ここで皆さんに知っておいて欲しいのは、女主人公のモノの猫耳がピクピクと忙しく動いて、褐色の彼女はとても活発で明るく、元気で、優しいってこと。 猫耳少女モノ(尻尾はない)の、ちょこまかとした活躍を応援してみませんか? 《追記》 この作者さまは、競馬ものの作品も書いてます。これがまた凄っげえ面白いんですよ! 競馬好き必見!