評価:★★★★☆ 3.9
駅前のビルから落下して死亡した女子高生、森津衣菜(もり ついな)は、その150秒後に起き上がった。
身体のあちこちが壊れ心臓は停止した死体のままで。
生きている振りも限界を迎え、学校にも家にも帰れなくなった津衣菜。
彼女は正体不明の「ゾンビ狩り」集団に追われるが、自分と同じ「死体のままで歩き回る人々」に助けられる。
彼らは、死から生へと浮かんでしまった者の意味で「フロート」と呼ばれていた。
生者の世界のすぐ裏手に、フロート達が助け合い、戦い、いつか本当の死を迎える、もう一つの世界が存在していた。
彼らと行動を共にし始めた津衣菜は、フロートの世界での様々な問題や謎に直面する。
何故フロートが生まれたのか、フロートとはそもそも何なのか。
フロート・生者・生きたまま死へ沈む者「シンク」がどこへ向かうのか。
そして、「自分自身の死の理由」に向き合う事になる。copyright ゆらぎからすin 小説家になろう
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話数:全150話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
本作はゾンビ物ではありません。フロートという不死に近い存在がいますが、彼らは彼のコロニーがあり、必死に生き残ろうとする姿、またそれらを狩る存在との攻防。主人公の津衣奈さんは最初イレギュラーな存在として書かれますが、彼女は戸惑いながらもフロートとして生きていく姿に心が打たれます……と感動していると作者様が上手い具合に拍子抜けする軽い物語を挟まれたりするので、緩急を読んでいてつけさせられる面白い作品です。絶望という程の絶望ではなく、希望と呼べる程の希望も差し込めてはこない。これはデジャヴする世界があります。現実世界です^^ この不思議な設定にどこかリアルを感じさせてくれる素敵な一作ですよぅ^^
ゾンビ愛を感じるローファンタジー。ゾンビになったからこそ分かる生とは何か、死とは何かという命題。メッセージ性もありながらも、エンタメ度もしっかりとあります。これを両立させるのは結構凄い。ゾンビ状態を維持するために飲むのは粉末だったり、火炎瓶を投げたり、ゾンビファンのハートを鷲掴みです。あのB級映画で、主人公の振りかぶったバットの一撃で頭蓋を割って動かなくなったあのゾンビも、主人公のように悩み苦しみながら生きていたのか(死んでるけど)と思うと涙が……。出ないですけど、本作を読めばゾンビの見方が変わるかも?アクション×ホラー×ドラマ。物語の面白要素がぎゅっと纏まった本作を、どうぞ読んでみて下さい。