あらすじ
浦崎みなみは代官山にある老舗サロン、グット・イット・ビューへ一年前に入社した二十一歳の女性。自宅がある中目黒から代官山までは歩いて通っている。鎗が先の交差点を中腹とした坂道は浦崎みなみによって、修行坂と名付けられたり、挑戦坂と名付けられたりする。浦崎みなみはその先に見えるサロン、グット・イット・ビューの頂点を目指して日夜努力をしていた。
浦崎みなみはサロンの検定試験に合格し、シャンプー係からアシスタントスタイリストへ昇格した。喜ぶみなみへ次のステップが待ち受けていた。一週間後に迫った美容メーカー主催のコンテストで、スタイリストのアキラといっしょに出場することになったのだ。アキラはサブマネージャーも兼務するスタイリストで、みなみにとっては又とないチャンスだ。そんなみなみに嫉妬心を燃やす者がいた。
アキラとみなみの周辺で不審な出来事が連続して起こる。アキラは誰かがなにかの目的で意図的に仕組んでいるのではないかと考える。同じように考えたみなみは親友のマイに電話で相談する。マイはすべて偶然が重なっただけ、気のせいと話す。親友のマイに言われるとそんな気になるみなみ。二人の関係は持ちつ、持たれつという表現がピッタリな関係だ。
なんとか、コンテストの予選を通過したアキラとみなみは本選への準備を進める。マネージャの敦史がアキラとみなみが同じ立場で本選へ望んでほしいと伝える。なぜかと訊ねるみなみに、アキラが辞めるかもしれないと話す敦史。驚くみなみだったが、同期の昴からサロン、グット・イット・ビューがなくなるかもしれないと聞かされる。アキラが辞める理由は店がライバル店の傘下に入ることを嫌っての行動だと気づく。
アキラを留める方法はないかと考えたみなみは、オーナーの敦史へライバル店の傘下へ入ることを考え直してくれと訴える。敦史は考えるからコンテストの本選で優勝しろと話す。みなみは全力でがんばると伝える。
コンテスト本選まで一ヶ月に迫ったある日、ゴルフコンペに参加した敦史の打球はOB寸前のラフでカラスが運んできた置き石にあたり、球筋が変わりフェアウエー上へ転がった。美容業界の大物が「石ころみたいな奴に助けられることもある」と、話す。遠く代官山で働くみなみはくしゃみをする。
紫が気品高い色で、昔は作り出すことが困難だった色ということを所々に配色しストーリーを構成。
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