評価:★★★★☆ 4.1
逆行転生者が存在したとして、逆行転生した者が残した足跡によってどのように日本の歴史が変化するのかシヴィライゼーションするお話です。
主人公は日本の歴史であり、逆行転生者はその中の一コマ扱いです。
歴史読本の類であり、小説とは少し趣きが異なります。
今回は明治時代からです。
連載は不定期といたしますが、たぶん毎週日曜日に投下できると思います。
話数:全29話
ジャンル:エピック・ファンタジー
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
歴史を人間視点でなく、俯瞰で書いた作品は本当に少ないですが、私はこのスタイルがとても好きです。この作品の中にはヒューマンドラマのような、言わば余計なものは殆ど出てきません。内容も、よく知るアニメのパロディーなどをコミカルに交えながら、しかし「現実に起こり得たかもしれない」という説得力を持っています。続きが気になって、気づけば朝。29話分一気に読んでしまいました。
明治以降、歴史は『物語』から『政治』となりました。政治が君主や権力者個人だけでは御しきれない化け物に成長したのが近現代です。チャーチルが「煌めきと魔術的な美が消えた」と述べた後の時代において、内政・外交・軍事・経済・文化、多岐に渡る歴史を詳しく書こうとすればするほど、化け物は本性を露わにして牙を剝きます。本作は近現代のIFの王道目標であるWW2の結果を先に明示します。しかしそこから先が腕の見せ所。作者様の膨大な知識と歴史的教養の土壌。そこに転生者の波紋が加わる事で、大胆な、それでいて安定感すらあるIFが次々と芽吹く様は圧巻の一言。コミカルな部分がそれに彩を加え、元の歴史と、新たな歴史を読み比べる読者を飽きさせません。日本と世界がいかなるIFを辿ったのか。政治となった歴史を再び物語として、それも個人ではなく歴史そのものを主人公として著述しようとする意欲作です。おすすめです。