評価:★★★★☆ 4.1
「失恋した腹いせに、世界を破滅させてみないか?」
科学が繁栄した閉鎖国家エクア。異端の黒髪を持つユイは、学園の王子様であるルキノに告白するも、無残な形でフラれてしまう。その晩、途方に暮れていると、いきなり噴水の中から現れた便所サンダルの男にファーストキスを奪われた。
どうやら、それにより魔法を力を手に入れたようで────
世界の破滅に向けて暗躍する少女と、彼女を振ったワケありヘタレ王子の葛藤を描いたSF風味のダークラブコメディ。ジレジレにすれ違う二人が結ばれるまでの波乱万丈な物語を、ぜひご覧ください。
第一回「マグネット!」小説コンテストにて、銀賞受賞。
その関係で、ひとまず『完結』表示にしていますが、第六幕以降は「マグネット!」にて連載中です。URL代わりに、下記にランキングバナーを設置してあります。※当たり前ですが、無断転載禁止でお願いします。
話数:全131話
ジャンル:ラブコメ
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
この作品をダークラブコメディとは、どなたが最初におっしゃったのでしょうか。上手いです。一言であらわすと、その言葉がぴったりです。主人公のユイは、黒髪に黒い瞳を持つ十九歳。舞台となる世界「エクア」では、黒髪を持つ者を異端とし迫害しています。彼女はイジメに遭いながらも反骨精神とも言うべきキャラクター性で運命をぐいぐいと突き進んでゆきます。読んでいて非常に痛快です。おすすめポイントは、素直になれない恋愛。もどかしいです。むずむずします。また、個性的なキャラクター達。一言で表現すると「濃い」です。どこか利己的で腹黒い登場人物が多いですが、憎めずに魅力的。強烈な個性を放つ人物たちが、ここぞとばかりにくすりと笑わせてくれます。高い筆力で読者の心を掴むこの作品。読まねば損です!
★あらゆるジャンルやカテゴリーにおいて通用するシナリオ概念がある。それは〝子供の世界〟と〝大人の世界〟の論理である★乱暴に言うのなら、大人の世界とは『自らの価値観と周囲状況をいかに維持するか?』の物語だ。それまでの自分が培った経験を元に積み上げたものを守るための逸話だ。それに対して子供の世界とは『苦難を乗り越えながら、これからの未来をいかに掴み取るか?』の物語だ。保護者の庇護下から離れて、数多の困難を乗り越え、自らの力で自分だけの価値観に根ざした〝世界〟を獲得する――そのための成長のドラマだ★それは若者のドラマとしてはあまりに普遍的であり誰もが共通して理解し合える素晴らしきシナリオである★本作はその『大人の世界』と『子供の世界』の間で、一人の少女が戸惑い、反発し、時にはひねくれながらも、周囲の仲間たちと少しづつ絆を掴み取る物語だ。そして少しだけ古びた世界を終わらせるのだ。名作である!
本作は非常に長めの物語ですので、2回ほど周回するのに少し時間がかかりました。2回読んで変わらなかった意見がタイトルにございます^^物語は他の方も感想・レビューと沢山書かれているように、主人公の失恋と数々の偏見差別という皮切りにあらゆる要素を載せたラブコメベースの物語が展開されます。この展開ですが、非常にお得意とされる漫画作家さんがいます。高橋留美子先生です。実はこの作家さんダーク一色の物語も非常に上手であり、本作の魔女的エクアージュを読んでいるとノリが近いなと感じました。似たような感性をお持ちなのかもしれませんね^^続いて、イジメや偏見に関してあまりにもリアルであり少しばかり戦慄します。結局人の悪意程恐ろしいものはないなと思いつつ、この描写ですが何か過去に同じような行為を受けた方を見てきたのかと物語から現実に戻るような感覚に陥りました。それだけ表現が上手いのかもしれませんね
黒い髪ゆえに差別される少女を取り巻く物語。この世界はとても理不尽に少女の心を壊そうとしてくる。主人公のユイはそんな世界にも負けず凛々しく真っすぐに立ち向かって行くのだが、その様はとても美しく洗練されている。作者が作るこの作品の世界観は秀逸で、個性的なキャラや怒涛のストーリー展開も魅力的だ。魔法や近未来的な化学要素もあるのに読むうちに懐かしい学生生時代を思い出してしまう。そんな稀有な作品なのではないかと思う。是非一読して欲しいと素直に言いたくなるとても良い作品です!!
失恋した主人公が世界をも破滅させられる力を得て愛と憎悪に揺られながら少しずつ世界が破滅へと向かっていくお話です。これだけだと凄い暗そうに感じますが、中盤までは日常系が多いのでただ重めの話というわけではありません!最新話まで読んでもまだまだいろいろと謎が多いままですし、主人公も隠された陰謀に翻弄されているところがあるので充分読み応えもあり、ダーク一緒くたな物語じゃないところも良かった!あときちんと恋愛要素も含まれています!最近は展開がどんどん加速してきていてさらに面白いです!なろうらしさはありませんがしっかりとした世界観、隠された謎などが魅力的の作品となっております!この作品を読まないなんて勿体無いとしか言えません 笑失恋少女が世界を破滅させようとするダークラブコメディー、面白いこと間違いなしなので是非一度読んでみてください!
ユイというこの世界では異端とされる黒髪のヒロインと、彼女のことが本当は好きなのに、野望のために彼女を振ってしまうルキノのジレジレストーリー……だけかと思いきや、気丈すぎるヒロインは世界を破滅させようと暗躍し始めるし、クラスメイトもただの悪役令嬢と思いきや、とんでもない事情があるし。一筋縄ではいかないキャラクターたちがとにかく素敵です!!他にも、ただのガキ大将かと思いきやとにかく熱い男タカバや、坊ちゃんだけどすごくイイやつアンドレ=オスカー。そして傍若無人な変態ロリコン教師のナナシなど、とにかくキャラクターが濃すぎるのに、違和感や無茶がなく、どんどんページをめくってしまいました。ストーリーのドキドキハラハラはもちろん、濃いキャラクターの人間模様がとても楽しめる一作です。ぜひもっと広まってほしい作品だと思いました。
例えば「いけ好かない」と思うやつがいたとして。その「いけ好かない」行動の理由を知ったとき、少し見方がかわったりはしないでしょうか?最初の印象だけにとらわれないで、腹を立てたり笑ったりしながら物語を追って欲しい。きっと少しずつ、登場人物の見え方が変わってくると思います。ファンタジーの面白さのひとつは、別の世界の文化を知る楽しさです。今いるこの現実と違う文化があれば、もちろんそこに住む人たちの常識は少しずつ変わるもので。ならば、若者たちの胸に秘めた気持ちや葛藤、恋模様も少しずつ様変わりするでしょう。変化を楽しんで欲しいのでキャラ紹介はしません。気に入らないヤツがいたら、そいつの名前をよく覚えてから続きを楽しむことをオススメします。一風変わった友情、恋模様、親子愛。ファンタジー世界で楽しんでみてはいかがでしょう?
恋愛要素もかなりある作品です。世界の破滅を目指して活動する少女と、実は彼女のことが好きなのに素直になれない青年の物語。少し中世も思わせるようなSF世界の中で、魔法を駆使する変わった作品。ですが、それよりも秀逸なのが、絶妙なヒューマンドラマ。恋愛的ジレジレもあれば、現代を思わせる複雑な人間模様。シリアスとコメディが絶妙なバランスでそれらを引き立てています。そして、この作品以上に個性的なキャラクターは、滅多にいません!大幅な改稿を終えて、さらにパワーアップしたこの作品、ぜひ一読してみてください。
“黒髪、黒眼の人種を忌み嫌う国。髪色を理由に失恋した少女””ユイ””。黄昏る彼女が出会ったのは、噴水から現れた便所サンダルの不審者だった。「世界を破滅させようではないか」名も無き彼は彼女を口説く。彼女に優しくない世界。望むのは破滅か、それとも。情調を感じさせる心理表現!ニヤニヤが止まらないギャグパート!エクアージュとは一体何なのか!?腹黒の魅力的な主人公を筆頭に、癖の強いキャラが作品を盛り上げる。差別とは、劣等とは、それらへのアンチテーゼも感じさせられる。一考させられるシーンも多く含まれるだろう。改稿によりしばらくの休載中だが、逆に今こそ!読んで追いついて欲しいと私は叫びたい。SF風味のダーク恋愛ファンタジー!ぜひご一読下さい!”
この世界で黒髪は異端とされています。 残念ながらヒロインの『ユイ』はその黒髪で、なかなかに酷い扱いを受けてしまいます。 しかし第一話の『自暴自棄な夜に』では、タイトル通り『ユイ』はフラれて自暴自棄になっているのですが、そのシーンの『ユイ』はどこか妖艶で美しい。 彼女の何とも言えない魅力に、心を鷲掴みにされます。 実際に『ユイ』はいじめられてこそいますが、モデルのようなルックスで、顔も良く、男からセクハラをくらってしまうほど魅力ある女性です。 性格はやはり辛い思いをしてきた故に、必要以上に他人を信用しません。 ですが、真っ黒になりきれない彼女の心は、やはり根は優しいの証明でしょう。 これも『ユイ』の魅力の1つだと思います。 1度フラれたからといって、ならばと簡単に割り切れない『ユイ』はどこかリアルな女性を感じさせます。 これはそんな『ユイ』の物語です。