評価:★★★★☆ 4
<第七回ネット小説大賞の一次選考を通過させていただきました。大変励みになります>
いつの間にか歴史上から姿を消したリベリア公国。
かつて存在したその国に、一人の少年が身を寄せることになった。身近な者たちに不幸を呼び込み、死に至らしめる呪いを身に宿した少年――ハル。
ハルは己の持つ残酷な宿命に抗い、大切に想うものを守るために大きな決断を迫られる。
果たして、その決断の行く末は――。
【2018年11月17日に完結致しました】
※スピンオフとして【呪いの烙印シリーズ・短編集】
続編として【片翼の鳥~出会いと別れの物語~】の連載を開始致しました。
話数:全92話
ジャンル:エピック・ファンタジー
時代:中世
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
不意にやってきた空虚の中、漂流するようにこの作品を知り、あらすじにふらりと導かれ、気づけば既に本作の語るところの「円環」の先に居た。──抗い難い呪いを身に宿す主人公の一人、ハルの想いは、切なさと儚さと覚悟を伴い、読み手の心に深く深く刻まれてゆく。周りを呪いに巻き込みたくないという「経験からの離別の決意」と、あたたかな場所と人に囲まれ徐々に解れていく心、一所に留まりすぎて生じる揺らぎ、生まれ来てしまった「小さな願い」。相反する二つの想いの重なりと「もう一人の主人公」の想いの幾重もの重なり、そして廻る「円環」。呼応し合う人と人の想いが、情緒豊かに綴られた物語が辿る「物語を超えた先にある何か」は、必見だ。願わくは、今後の彼らに、心からの安堵と安息を──
文章の書き方がわからない方、もっと勉強して丁寧な描写が描きたい方、可愛い美少女に飢えてる方、愛に飢えてる方、辛く孤独な呪いが好きな方。上記の一つでも当てはまる方は、是非この作品を読むべきでしょう。「娘と友達になってくれないか?」将軍の言葉で、主人公は将軍の娘と生活する事になります。鉄砲玉娘、なんて言われるお転婆お嬢様と出会い、主人公の心はだんだんと動かされ、物語は始まっていきます。心温まるお話、だが主人公には人に言えない秘密が、呪いがあった。「死ニ至ル呪イ」が、まさにタイトル通りの呪いが。暖かな物語の中に、愛と死、二つのテーマがしっかりと描かれて、心惹かれる作品となっています。是非一度ご覧ください。
硬派で綿密なファンタジー! 特に戦闘描写には目を見張るものがあり、棍術という創作界隈ではあまりみない技術を、まるで目の前で起こっているかのように感じさせる筆力は見事の一言です。 あと、キャラクターも軽薄でないところがすばらしい。一人一人にしっかりと人生があることが伝わってくるため、キャラクターの生き死にが「重く」感じられるのです。 タイトルの「死ニ至ル呪イ」をご覧いただければわかるとおり、この作品のテーマの一つには、「死」という概念があります。その重い「死」に対して、各々がどう向き合うのか。 特に主人公であるハルの今後からは目が離せません。ひとまず第十三節で作者さまから、序盤から重い雰囲気を纏うハルの謎について一つの回答が示されますので、そこまでは読むことを強くお薦めいたします。 願わくば、彼に幸福があらんことを! ヒロインのビアンカは可愛いし、二人で幸せになってほしい……。
ビアンカが可愛い!いきなり、失礼しました。少し暗い影が見える主人公少年ハルとお転婆なヒロインの少女ビアンカを中心に描かれた物語です。ちょっぴりワガママで、お転婆だけど本当は素直で優しいビアンカ。未だ自分では気づいていないハルへの気持ち。そんな細かい心理描写で、ビアンカがもっと可愛くなっています。ハルは? ビアンカは? 果たしてどうなるのか?そして、ハルにある暗い影の正体は?それは、私と共に皆さんの目で確かめましょう。
ヒューマンドラマというだけあって、キャラクター1人1人の個性がしっかりしており、ストーリーの中心となる主人公とヒロインの会話も自然な流れで一人の人格として成り立っています。二人を取り巻く環境や心情についてもしっかりと描写されており、とてもイメージがし易い文章で書き綴られています。そのおかげで、自然と世界観に入り込むことができ、物語を無理なく読み進めることが出来ます。また、読み方の難しい単語や二通りの読み方が出来る単語には必ずフリガナが振られており、読者へ対する作者の配慮が垣間見えます。プロローグから第一章へ移る際も月日の流れを自然に書き表しており、読者を置き去りにするようなこともありません。作者の語彙の多彩さも作品を楽しませる要素の一つとして挙げられます。まだお読みでないという方は一読頂き、作者の優しさに触れながらストーリーを楽しんで頂ければと思います。
身寄りも無く、資金も無く、砦にて奉公をしていた主人公は、その働きぶりを気に入った将軍に拾われる。将来的には自分の盾持ちに、と考えた将軍は、主人公を自分の屋敷に住まわせ、一つの任務を言いつける。「私の一人娘と友達になってくれ」と。その言葉から始まった、2人の友達としての生活に影を落とすのは死ニ至ル呪イ。無鉄砲で無茶ばかりするヒロインと、そのヒロインに振り回される主人公は、星空の下で結んだ約束を果たす為に運命とも呼べるものに抗っていく。主人公の想いは。ヒロインの願いは。様々な思いが渦巻く中、物語はどう進んでいくのか。ファンタジー世界で送るヒューマンドラマのこの作品。気になりましたら読んでみてください。面白い。の一言です。