評価:★★★★☆ 4.1
国王一座の若手にして期待の新星であるロクサーヌ。
想い人である画家のゼーマンと将来を誓い合い、これから先幸せな人生を送ると信じていた。だが、彼女の活躍をよしとしない同期のカルラータ。
ロクサーヌのせいで自分の夢が叶えられないと考えたカルラータは邪悪な黒魔術師の力を借りて、ロクサーヌの全てを破壊しようと企む。ロクサーヌが舞台で忙しい日々を送る中、彼に一目惚れしたカルラータの色気で完全に心変わりした画家のゼーマン。
恐ろしい罠によって貶められたロクサーヌは絶望に沈む最中……。なんとゼーマンの手によって左腕を斬り落とされてしまったのだ。
命からがら逃げだしたロクサーヌが辿り着いたのは国王一座が使う劇場の仄暗く、薄汚い地下。痛みと呪いで死にそうになったとき、彼女はひとりの魔女に出会ったのだ……。
――――
©️ 『支倉文度』 2018.
この小説に掲載されている写真、イラスト、文章の著作権は作者『支倉文度』に帰属いたします。
許可なく無断転載、使用、販売を禁止します。The copyright of this work is owned by the author 『支倉文度』. Unauthorized reproduction is forbidden.
話数:全26話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
とにかく男がクズです。おそらく本人は自覚ないんでしょうけど、明らかに「ダメンズ」の部類ですね。そして復讐の相手である女性も酷い。でも、それは作品を貶してるわけじゃないですよ。相手がそのくらいクズだからこそ、復讐をする主人公の行為がどれだけ残虐であっても、というより残虐であればあるほど「爽快」なのです。そして、そういった悪役を書ける作者の技量は素晴らしいの一言。さらに、それに協力することになる魔女の明るいキャラクターの存在のおかげで、決して読者に「罪悪感」を与えない。いわば「明るい復讐物語」に仕上がっています。日頃、あなたはストレスが溜まっていないでしょうか?だとしたらこの作品で、ヒロインと一緒に「スカッと」しませんか?
可憐な美女と言えば、洗礼された聖者を思い浮かべる人も少なくはないだろう。私もそのうちの1人だ。この物語はそんな主人公が、カルラータの策略にハマってしまい、嫉妬や恨みの感情を露わにしてしまうところが一つの魅力だ。主人公の感情の変化も繊細に描かれており、読み手も納得できるであろう。これから主人公がカルラータに対し、どのような制裁を加えるのかが楽しみである。