アラガミのおっちゃんは、伝説の装備が作りたい魔導具専門の職人だ。
自作した大型魔導車の運ちゃんとして各地を走り回りながら、伝説の装備を作れる素材を探している。
理由は、以前倒された魔王が復活したにも関わらず、伝説の勇者の装備は失われてしまっていたからだ。
ーーーなくなったんなら、もう一回作りゃいいんじゃね?
と、アラガミは魔物はびこる世界で、お宝素材を求めてあっちへぷらぷら、こっちへぷらぷら。
旅のツレは、褐色肌の少女剣士と中折れ帽を被った銃使いの青年。
そんな彼は『吸血鬼が出る』という噂がある街へ荷物を運ぶ途中に、大型魔導車で一人の青年を跳ね飛ばしてしまう。「おいおい、死んでねーだろうな!?」
「大丈夫じゃね? あいつが着てるの、勇者の装備の模造品だぜ?」
「なんだと!?」勇者候補(仮)を拾ったアラガミは、家族を吸血鬼に殺されたという彼を助けて、吸血鬼を追い詰める。
「ふふん、勇者でもない者がこの私に勝てるとでも……な、何故魔法が使えない!?」
「バカかテメェは。そんなもん、俺が魔導具で魔法を使えなくしてるからに決まってんだろ!!」
「嘘……だろう……?」アラガミはあまりにも魔導具が好き過ぎて、魔法すら無効化してしまう装備を発明する、無敵の職人だったのだ!
『デカい魔導車の運ちゃんがどっかから来たら気をつけろ。多分、いずれ出現するっていう勇者より危ない』
そんな噂がまことしやかに亜人たち……闇の勢力の間に広がっていることなど、アラガミは知りもしなかった。
「伝説の装備を俺が作りゃあ、勇者に着せて魔王を退治出来るぜ! さー行くぞ!」
勇者より強い魔導職人は、伝説の装備を作るために今日も元気に駆け回るのだ!お前が倒せば早いんじゃね? っていうツッコミは、この際置いておけ。
無敵のおっちゃん魔導職人は、伝説の装備が作りたい。
完結日:2018年12月29日
作者:peco
評価:★★★★☆ 4.1
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
魔導職人・アラガミは、最高の魔導具を創り上げることを目指す「おっちゃん」である。彼は、古の時代に失われたとされる「勇者の装備」を再現し得る魔導具を開発するべく、豪放磊落な少女剣士・スサビや皮肉屋な銃使い・ヤクモを引き連れて、世界中を旅していた。 その旅の途中、彼は大型魔導車で1人の青年を跳ね飛ばしてしまう。実は勇者候補であり、とある街で漂う「吸血鬼」の噂に関わっている人物でもある彼と出会ったアラガミ達は、街に隠された陰謀に挑むことになるのだが……? 謎が謎を呼び、衝撃の展開が絶え間なく続くストーリー。迫力と熱気に満ちたバトルアクション。そして、実は勇者より強いんじゃね? 感が止まらないアラガミさんの活躍が見どころの、快作ファンタジーアクションです。 渋くてぶっきらぼうでカッコいいおっちゃんが見たい方、要チェックですぞ!(*´ω`*)