評価:★★★★☆ 4.2
世間では今日から三連休。
それなのに、あたしは何やってんだろう……暗くて小さな公園のベンチに、ひとりで座る『あたし』。
「コーヒー、飲みませんか?」
そう言ってあたしの目の前に現われたのは、宅配便のお兄さんだった。= * = * = * = * = * = * =
◆秋月 忍さんの『夜語り』企画参加作品になります。
話数:全7話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
この作品を読む前に、思い出してみてほしいことがある。子供の頃、親に「何かをしてくれる」約束をしてもらったことを。「こうしてほしい」と期待したことを。その約束や期待がどうなったかに関わらず、その時「自分がどう思ったか」を思い出してからこの作品を読んでみてほしい。この作品の登場人物、茉莉菜は高校生。子供とは言えない年齢ではあるが、かといって大人とも言い切れない。そんな彼女に、目線を合わせることができるはず。
12月末。世間では連休だというのに、そのひとはプレゼントを届けていた。茉莉菜。年上の男性に恋した乙女。彼女の純情はあの日、「冬」を迎えた。そして、暗がりの公園に腰を下ろしている。何も関連性のないふたり。でも、彼の勇気がふたりを結びつける。そう、それはただ「結びつける」だけ。その先は・・・◇◇◇聖なる夜を迎えようとしている。12月末。おそらくこの機会に書き上げられた作品なのだろう。が、このドラマはまるで何年も練り上げられたように感じられる。じつに奥深い作品なのだ。登場人物はふたり(お母さんなどは除く)。茉莉菜の語りが胸を痛め、その感情が共感を呼ぶことだろう。「世知辛いなぁ……」その台詞がまさにピッタリだけど・・・まあ、とにかく読んでみるといい。オトナなクリスマスをあなたに。ハッピーホリデー♪