勇者「魔王倒したし帰るか」 完結日:2018年12月10日 作者:湯葉 評価:★★★★☆ 4.3ゆうしゃは まおうを たおした まおうは ゆうしゃに たおされた ※2011年に掲示板上に投稿し、現在は自サイトに掲載している台詞型SSを少し弄ったものになります。 外伝的な話も掲載しています。 話数:全50話 ジャンル: 登場人物 主人公属性 未登録 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 台詞型SS 注意:R15 残酷な描写あり なろうで小説を読む
名作、怪作、奇作、どんな言葉をもってしてもこの作品を言い尽くす事はできない。ここに描かれるのはゲームや御伽話ではない圧倒的な現実。善悪とは、勇気とは、誰かの為に戦うとは一体どういうことなのかを深く考えさせられる。勇者とは勇気ある愚者のことなのだろうか…正義と戦うのは悪ではなくまた別の正義なのだろうか…といったことをずっと考えてしまう。あるいはそれら全てを乗り越えた者こそが真の勇者なのかもしれない。
すべてが明らかになる訳ではない、辻褄あわせせれていない、断片的で欠落、矛盾を感じる情報・・・それが、とっても現実的。救いがあるとかないとかそんな次元で考えるべきではない、当事者のみが決めること・・・それこそが、現実的。諸行無常? そんなテンプレな一言ではすまされない。心を揺さぶり、えぐる様な状況・・・まさに、現実的。心して読むべき作品
勇者が魔王を倒してめでたし、めでたし。ロールプレイングゲームでよくある展開ですよね?この作品は、そのよくある物語の展開の裏側を、ダークな感じで書いたものです。テレビゲームで戦士に薬草をドバドバ使った経験はありませんか? ゲーマーが何気なくやっていた行為が、中の人を悲惨な状況に追いやっていたのかもしれない。そんな想像をさせられました。ドラ◯エの賢者の石っぽいやつの話、トラウマになります(笑マジ、こええっす(´・ω・`)でも、ラストは何とも言えないせつなさが残ります。いい作品です。お暇があったらどうぞ。(*´`*)
剣を振り、無双のごとく魔物を倒して世界に平和をもたらす勇者。魔王を倒し、王の元へと帰還した彼は語り始める。彼らは往々にして美談として後世に語られることが多い。故に真実を知らず、封じ込められた真実を知ろうともしない。何が起こり、何を成し、何を想い、何があり、何処へと向かうのか。これはそんな、彼らの冒険譚の裏側の話。
ランキングのジャンル別に長いあいだ表紙(1~5位のこと)にいらっしゃる作品です。どうも以前に、別のところで書いていらしたようですが私ははじめて読みました。なのでその立場でレビューさせていただきます。最初は、とりあえず気になったし読んでみよう――と、軽い気持ちで読みました。一話目は、勇者「王様チィーッス。勇者ですよーっと」(一話目一行を引用)こんな軽いノリで始まりますが、一話目の最後まで読む頃には、「勇者の仲間はすでに死んでいる」という不穏な気分のまま『次へ』を押してしまうでしょう。次へ次へと読んでいくたびに心が重く、悲しさ、やるせなさがあふれてきます。それでも最後まで読むと、すごく重厚な物語だったと思えるのです。※ただし、読むときは本当にお気をつけください。特に、明るい話を書いている作家様は心が引っぱられる可能性大です。――だが、だがそこがいい……!
閲覧注意の物語です。我々読者が知っている勇者が如何に創られた幻であるかが分かる。リアルタイムでスレを読み返していたあの頃を思い出しました。何度読んでも読み終わると、握る手の力が抜けず、涙が止まらなくなる。こんなにも救われない人々が、物語の中とはいえ存在していいのか、と胸が締め付けられる想いです。これを今から読む人、読んだ人達が過酷に立ち向かえる勇者でありますように。そして壊れてしまわない。救われる人々でありますように。
これが現実なんだと思う。【勇者】というありきたりな設定。誰も彼もが【勇者】は死なない、負けない、強いから報われる────────────なんて思ってますよね?だってそれが当たり前の設定だから。そんなことは、少し考えればありえないことだって分かるのに。例えば【勇者】は生き返ります、何度死んでも。蘇生魔法などがあるという設定で。でも、死んだ痛みと苦しみは忘れることは無い。そして、その苦しみは着実に【勇者】を蝕んでいきます。【勇者】が【魔王】を倒す時、【勇者】が狂っていないなんて、誰も言ってません。肉を焼かれ、腸を抉られ、四肢をもぎ取られ、人々が死に逝く様を見た【勇者】が狂わない訳が無い。それが現実。
せつなくも美しい叙事詩のような物語。勇者視点は怒りとやるせなさ、僧侶視点は愛と哀しみを感じさせます。行間の取り方がうまく空白部分にも物語があります。月並みな表現しか出来ず申し訳ないのですが、血と腐った肉の臭いと登場人物の醜さが美しいと思いました。救いはありませんが不思議と読後感は良く、癖になる物語です。
こちらの作品は読むのに覚悟が必要です。私はその覚悟もなしに懐かしさで気軽に読み始めてしまいました。そして、思い出しました。昔、途中から読めずに投げ出していたことを。そのため当時の結末と現在の結末が違うのか同じなのか私には分かりません。しかし、間違いなく言えることは、読んで良かったということです。数多の勇者達の犠牲の上に私達はRPGを楽しんでいるのかも知れない。
一度SSを読み出したら決して避けては通れないビッグネーム。このタイトルは常に魔王・勇者物のトップに輝いている。そしてそれをこの度、作者様ご本人が「小説家になろう」に投稿してくださった。勇者「魔王倒したし帰るか」 この簡素なタイトルからは想像出来ないほどの重く、苦しく、残酷な物語があなたを待ち受けている。 読むのを投げ出したくなる程に狂気と血にまみれたキャラはあなたを掴んで放さないだろう。*感想欄が同窓会みたいになってます。懐かしいと思われた方はちょっとでもいいから覗いていってはいかがでしょうか。