評価:★★★★☆ 4.3
異世界で長年過ごしてようやく日本に戻ってきたと思ったら江戸時代だった主人公、見た目は少年中身は老人の九郎。
蕎麦屋で居候をしながら江戸の日常にギャップを感じつつ飯を食べ美味いと楽しんだり、酒を飲んで遊び歩き妙な友人を作ったり、時には悪党と喧嘩をして岡っ引きから逃げたりと小さくて賑やかな世界、江戸での九郎を取り巻く時代小説風日常コメディ。※フィクション江戸世界ですので実際の江戸の描写、年代、事件、歴史人物の生没年等に若干違いや拡大解釈があります。
※2014年11月29日、エンターブレインから書籍化。12月5日、壱巻重版決定。3月30日、壱巻電子書籍化。
2015年5月30日、書籍弐巻発売。
2015年12月26日、書籍参巻発売。
話数:全246話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:江戸
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
ヤクザな主人公である九郎少年(老人)が、女性達の細長くてものを縛るアレになり、仲間達と面白可笑しく、時にはシリアスに、色々やってく江戸時代。江戸時代?偶に魔王も出るよ(はーと)一話一話がとても長く、読み応えのある作品となっております。たまには「ニヤッ」としてみたいあなた、一度読んでみるのは如何でしょう。あ、書籍版も絶賛発売中だそうです。
異世界に飛ばされて老人になるまで過ごした主人公の九郎。なんやかんやあって若返って日本に戻ってきたけど、そこは江戸時代だった、というところから始まるお話です。 時代劇はラノベやミステリばっかり読んできた自分には正直敷居の高さを感じるジャンルでしたが、この作品は非常に読みやすい。 作者様の文章力の高さに加えて、考証が非常にしっかりしているのでしょう。史実にアレンジを加える際も非常に“それっぽく”なっていて違和感がありません。 そして、なんといっても食事描写の巧みさが秀逸です。ほぼ毎回、少なくとも数回に一回は食事シーンが入るのですが、それがどれもこれも非常に美味そうなのです。私もこっそり自作の参考にさせて頂いています。
現代から異世界へ飛ばされ、ようやく元の世界へと戻ったらそこは江戸時代であった……。そんな出だしで始まる本作。控えめに言って名作である。個性的に過ぎる登場人物もそうだが、その舞台となる江戸の空気を現代風に見事に描き切っている。江戸独特の文化、風習。本作を読み進めれば読み進めるほどに、ひとたび時代が変われば、そこもまた異界であるのだな、とそう実感できた。重くもなく、しかし決して軽すぎもせず。まさに「堪らぬ」といった風情が味わえる作品である。名作であり、怪策でもある本作。第二部も始まり、ますます目が離せない。秋の夜長に、如何だろうか。
この作品、まずストーリーが秀逸。良くある異世界物かと思えば、異世界から帰ったら江戸だったという珍しい設定、そこに一瞬で適応するクールな子供。外身は子供、中身は不能老人。コナンもビックリだ。そして文章力、とんでもない文章力‼︎大事な事なので二度言いました。さっきストーリーをべた褒めした口で言うのは些か気が引けますが、はっきりいって左高例さんが書いたのであればどんなストーリーでも面白くなる事でしょう。最後に一つ。あなたが夜中に『異世界から帰ったら江戸なのである』を読んだら作中の料理を作らずにはいられないでしょう。約束します、私がそうだった。
どれもこれも旨そうなのだ。作中に登場する「つまみ」が、である。読んでいるだけでもう、「堪らぬ」のである。酒飲みならばわかるであろう。日曜の昼下がりにでも読めば、奥方の機嫌取りがてら、近所のスーパーに材料を手に入れに出かけざるを得ぬ、そのような力のある作品である。作中では前世の描写も登場するが、多くを語らず淡々と居候先を守り立てる日々から始まる。だが、ともあれまずは酒とつまみなのだ。
お江戸で織り成す不思議世界物語。魅力的なキャラクターとか、歴史考証を重ねた上でちょっと捻った江戸風景とか、美味しそうなご飯とか、コメディから悲劇までなんでもござれの技術力とか。そういったところも凄い概念が付与されているレベルなのですが、なによりも語彙のセンスがピカイチです。文章が上手という以前にマネとかできない世界。素敵だぞー?
異世界から帰ってきた九郎が降り立ったのは何故か江戸時代の日本。現代とは違う過去の世界で、九郎は蕎麦屋に居候しながら個性豊かな江戸ッ子たちと共に生きていきます。侍がいる。絵師がいる。蕎麦を打つ店主がいる。今も残る地名や店名、あるいは教科書に載っているあの人が確かに江戸にいたこと感じさせます。時代小説というと、固い文章やその時代の知識を必要とする敷居の高さを感じて敬遠される方もいらっしゃるかもしれませんが、この作品は丁寧な描写と軽快な文章によってそのような敷居を感じさせません。確かな知識をウィットに富んだ文章に載せ、今に繋がるかつての江戸の風景が色鮮やかに思い起こされます。この作品を読んで、あなたも江戸へ行ってみませんか?