評価:★★★★☆ 4.4
ある日、俺の平穏な高校生活が終わりを告げた。6月6日16の誕生日に摩訶不思議な力で中二病を隠せなくなってしまったのだ。休み時間であろうと授業中であろうと「ワハハ」と高笑い。「使徒」「愚民」「下僕」と炸裂する魔王節。捨てた筈の黒歴史に俺は振り回される。
その上、友達や先輩は腐男子だとか親がAV女優だとか、一筋縄じゃあいかない悩みを抱えていた。この状態で相談に乗るなど危険極まりないが、悩み解決の為なら致し方なし!
そして俺は彼等の闇に寄り添うことで、自らの闇とも向き合うことになる……。俺は何故中二病を封印したのか? そもそも中二病とは何か?愉快にイタイタしく、時に胸を掻き毟るほど鮮烈に痛々しく……笑劇と衝撃の中二病コメディドラマ――開演。
※濃いキャラクター達による掛け合いと、悩みの内容・解決までの流れを楽しんで頂けたら幸いです。
※1月29日完結しました
※この作品は「カクヨム」「ツギクル」にも掲載しております。
話数:全152話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:R15
この作品の主人公は完璧超人のイケメンです―――ただし、『中二病』。それが彼の全てを台無しにしてしまっています。しかもその『中二病』は病によって半ば強制されているもので、故意なく「ワハハ」と高笑いしては裏で悶絶している可哀相な人です。そんな、コメディー色が強い出だしの本作ですが、ジャンルは『ヒューマンドラマ』です。舞台は高校。アクの強い登場人物達。彼らが抱える悩みや闇―――それを解決するのが彼の『中二病』です。彼は悩める生徒達を下僕と呼び、下僕の為に粉骨砕身働きます。たまには悩み、たまには落ち込み、たまには怒ります。それでも彼は下僕の為に立ち上がります。 「ワハハ」と高笑いする主人公の外見ではなく、隣人を想う故に葛藤する彼の生き様、そしてそれを見事に描いている作者様の力量を、是非皆さまにご一読頂きたい。
まず主人公はイケメンという設定だ。これだとなかなか感情移入しにくいものだが、それを補ってなお余りある中二病。(元)中二病患者は共感、そしてむずがゆい感覚を覚えるだろう。そう、主人公がイタい。イタいのだ。中二病に全く縁のなかった人でもそのイタさに笑うはずだ。そして、厚化粧で変態の保険医、小太りの先輩など、いちいちキャラの濃い脇役たち。それらの脇役に主人公が名付ける名前で度々吹かされる。主人公は人気者なので、そのイタい言動により人気が落ちないかとちょっとハラハラ、いつの間にか感情移入していた。作中の伏線らしきものをみると、これから少しシリアスがくるかもしれないが、主人公とサブキャラの掛け合いをみるにコメディ一辺倒で爆笑必須だろう。人を選ぶとは思うが、全力で笑わしにきているので、一度読んでみても損はないはずだ。