評価:★★★★☆ 4.1
あの人のいる星まで電車で約二日。
私は生まれ育った地球を離れ、一人宇宙へ出た。
名残惜しい事なんて何もない。
果たすべき目的だけが、私にはあるから。なぜあなたは何も告げずにいなくなってしまったの?
その答えが知りたい。
そして、確かめたい。
今でも私を愛しているのかを。
話数:全15話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
その他要素
注意:R15
突如行方を眩ませた彼を追う、私。これは二人の恋物語だと思う。多分このお話ってプロットとか重要なフラグだけ羅列していったら、それを「ありがち」っていう人もいるかもしれない。裏を返せば表現次第。文章がすごくきれいで、引き込まれます。そして「先読みできてしまう」その結末に、焦燥感と共に目が離せなくなってしまっていました。あっ あっ あぁぁぁぁ……やっぱり、そうなってしまうのか。って。
星間移動が出来る時代、ある女性が行方不明の恋人を探しにある星へ向かうと言った物語です。星へ向かってから物語は二転三転と動くのですが、この展開が凄い。まるで激流をボートで下るかのように、激しく読者を揺さぶるのです。溺れないようにと、必死にしがみつきますが、止まる事も出来ずに物語の終わりまで読み進めて行く事でしょう下流で呆然とする私に少し遅れて感想が追いついてきます。あぁ、何だか不思議な作品だったな、と。そう、これこそがSFなのです!ぜひ、貴方もSFを読んで見てはいかがでしょうか?
まず、タイトルが繊細な響きだと思いました。それは遠くにある現実の星か。それとも……。主人公は恋人に会いに行きます。しかし、そこは地球から二日掛かる別の星。交通機関を使って当たり前のように、その道のりを恋人に会うために行く。大冒険があるわけではなく、普通に旅行に行くように、その彼の場所を目指す。宇宙人と戦ったりするわけでもなく、車窓から景色を見ながら、星に着いたら今度はその場所まで行くタクシーの中で、会った彼がどんな反応か考えながら彼女は思い描きながら向かっていく。周りはSFですが、普通の女性の普通の思い。やはり地球から出ているので、ちょっといつもと違う事もありますが、ほとんどは変わらない生活の中の風景。ですが、彼女に突きつけられたのは、予想外の現実です。ただ会いたかった彼。もしこれを悲恋とするには、あまりにも納得がいかない。続きの気になる話だと思いました。