評価:★★★★☆ 3.8
勇者アトスがその命と引き換えに魔王を倒し、世界に平和が訪れて三年の月日が流れた。
バルト国一の貴族、カムリ家。
その当主の娘であるアリシアは家督争いに巻き込まれ、実の兄に父親殺しの濡れ衣を着せられただけでなく、命を狙われることになってしまう。
身の危険を感じたアリシアは、侍女であるエリーと共に実家を脱出し、隣国に向かうべく国境を目指すことにした。そこでアリシアは、女二人の旅路は何かと危険がつきものと、その道中に護衛を雇ったのだがーー
主人公は貴族の娘ではなく、その侍女になります。
従って、その侍女から見た視点を中心に物語を綴っております。2018.11.06
お陰様で完結を迎えることができました!
応援して頂き、本当にありがとうございました!
※完結後、後日談を若干追記。
話数:全49話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
貴族のお嬢様が父殺しの冤罪で追われる………となれば、主人公はお嬢様かと思いきや、彼女の侍女視点で語られるという斬新な物語です!それだけではなく、そこに勇者やその仲間や魔王が話に関わってくるという実は壮大な一大冒険譚になっています。卓越した戦闘描写には、主人公達はもうダメかもと読者に思わせるほどの緊迫感を与えていて、始終ハラハラドキドキしてしまいます。気づけば、彼らの行く末が心配でページを捲る手が止まらない!
この物語の中心は、護衛のラグ、そして父殺しの汚名を着せられ侍女と逃亡したお嬢様のアリシアの二人。しかし、物語は侍女のエリーの視点で主に描かれています。これは私見ですが、エリーが後々語り部として二人の話を誰かに聞かせているのではないのでしょうか?非力なお嬢様が逃亡の果てに何を見てどう成長したのか?果たして復讐を護衛は果たせたのか?果たして二人はどうなるのか、そして結末は!?そして、この物語には、爽快なざまぁ感があります。この手の物語が好きな方にもオススメです。
物語のプロローグこそ勇者たちと魔王の戦い、決着と裏切りで始まります。ですが、冒頭から第一章の終わりまではその後の世界で起きた名門貴族のお家騒動を主題に話が進んで行きます。家督争いで父殺しの汚名を着せられ、追手を差し向けられた貴族令嬢とそのメイドが逃げ込んだのは…… 場末の酒場?ついに彼女達は追いつめられてしまいますが、そこに現れた凄腕の剣士に助けられて…… 令嬢と侍女、護衛の剣士の三人が織りなす隣国までの逃避行が丁寧に書かれており、惹きつけられる物語です!!
–仲間である勇者を襲った凶刃。己の欠点を認めない者が振るった父殺しの剣。その血塗られた切っ先は今、無垢な少女達に向けられようとしていた 非力なアリシアとエリーに迫る追手。だが、そこに強力な助っ人が現れて…… 果たしてアリシアとエリーは、親殺しと裏切者が幅を利かせる王国から脱出できるのだろうか– この物語の面白いところは、追放の過程、クロノシア王国への逃避行が描かれているということである。 また、この物語は裏切られた勇者、追放された令嬢の視点ではなく、令嬢の侍女を通して語られている。 いずれも通常の追放モノとは、大きく異なっている点だ。 そしてエリー自身の成長。尊敬に値する者を近くで目にした彼女は、心身共にどう成長していくのか。 巨力な護衛と非力な少女達。彼女達は非道な者達と戦い、迫りくる困難を乗り越えようとする。 その先にある未来とは–