評価:★★★★☆ 4.1
『三日月は弓、半月は舟、満月は鏡。――月の舟に乗って、世界の彼方へ』
今ではない時代、「天羽」と呼ばれる小さな島国があった。そこでは、神々にまつわる伝承と、「真幌月」と呼ばれる不思議な舟の存在が信じられていた。
これは、真幌月に唄と舞を捧げる「詠姫」として拾われた少女燈と、彼女の付き人である少年疾風の「世界」と「伝承」を巡る物語。※この小説はカクヨムでも連載しています。
話数:全31話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
この小説は、どう読んでも面白いのは間違いない。僕は連載時にちまちま読んでいて、それでこの小説に魅了された。 だが、一気読みの方が面白い。 まず、作り込まれた世界観が最初に気がつく魅力だ。たくさんの設定を苦も無く読ませ、むしろ物語へ引き込まれるきっかけとすらなっているのがこの小説の最大の魅力。 次に、個性的なキャラクター。 この物語はある少女と少年を中心にお話が進んでいくのだが、サブキャラの魅力がとてつもない。天子さま本当に最高。 その上で二人がきちんと輝いているのだから、なおすごい。 最後に、ストーリー。言うまでも無いがあえて言う、面白い。 こればかりはネタバレに直結するのであまり詳しく書けないが、各キャラクターが信じる物のために力強く行動する様は、読んでいて非常に前向きな気持ちになる。 これだけ読者を引き込む要素を持っているのだ、一気読みしない方がもったいない。
独特の世界観で語られるこの小説は物凄く良い雰囲気でした。平安時代のような優し気な風情の世界観がとてもよく、昨今、何かと騒々しいだけのどっかで見たような小説が多い中、独創的で他には見られない優しい雰囲気が良いです!また、伝承や伝説の真実に迫る姿は非常に良く、ちょっとした推理小説のような部分もあって、中々楽しめます。どうしても現実的に考えてしまう自分には到底出来ない小説なので、とても羨ましく思います。最後まで綺麗な形で終わったので、安心して最後まで見られますから是非読んで見て下さい❗
『三日月は弓、半月は舟、満月は鏡。―月の舟に乗って世界の彼方へ』美しい謳い文句で始まる正調和風伝奇小説は、心地よい文章と、じっと見守りたくなる主人公たち、そして精緻に作り込まれた天羽の世界観に織り込まれ、密やかな、しかし煌びやかな物語を紡いでいきます。詠姫、の役に就く主人公、燈と、傍に従い燈の身を常に案じる少年、疾風。二人の運命は、二人を取り巻く人々の縁は、どのように動いていくのか。頁を進める指が止まりません!何より、この世界が大好きだという作者様の思いが、溢れんばかりに伝わってくるこの作品。一度読んでみて損はありません!