評価:★★★★☆ 3.8
回復術師のポコはアホな勇者達に苦労しながらもなんとか魔王討伐を成し遂げる。
だがポコは用済みとなったあと、顔が不細工で不人気と言うだけの理由から仲間達に惨殺されてしまう。
激怒したポコは禁術によって蘇り、新たな魔王として君臨することを宣言。
まずは勇者達に散々仕返しをした後で、人類に復讐するための軍団を設立する事にする。
彼の元へ続々と集まる優秀な配下達。個性的な真の仲間達に支えられ、軍団はサクサクと成長していくのであった……
話数:全77話
ジャンル:エピック・ファンタジー
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
昨日完結された作品で、遅ればせながらレビューを。 内容はパーティー追放もの(それどころか、いきなり殺害までされる……)で、そこからの成り上がりに最大のカタルシスがある本作ですが、興味深かったのは追放物に特有のいわゆる「ざまあ」のやり方です。 主人公がいなくなったあと、メンバーがただ無能を晒してパーティー崩壊していく……それだけじゃないんですよね。ネタバレになってしまうので詳細は伏せますが、こういうやり方もあるのか! と非常に面白く残りのメンバー(特に勇者)の動向を追うことができました(笑)。 登場キャラクターも非常に魅力的! 勇者一行から目の仇にされた主人公に味方するのは、必然的に世間からのけ者にされたアウトロー集団になりますが、彼らの個性が抜群にいいんですよね。 特にシンシアの可愛さは身もだえするほど……! 彼女のためだけでもこの作品を読む価値があります! オススメです!
主人公である回復術士のポコは、魔王討伐の果てに用済みとして排除される。その悲劇は彼だけに留まらず一族郎党まで。その怨恨、筆舌に尽くし難く、禁術を用いて復活を果たすこととなる。その経緯故に、物語の序盤は負の感情が原動力となって動きますが、人としての心が残る主人公のもとにはいつしか彼を慕う者達が集まっていきます。その光景は時に熱く、時に微笑ましく、時にうらやまけしからんことも……。そんな個性的で魅力に満ちたキャラクター達の織りなす物語を、是非ご一読ください!
主人公『ポコ』は回復術師。彼は『リブリン族』と呼ばれる少数民族の出身です。リブリン族はゴブリンとの混血と揶揄される醜い外見のせいで、国中から嫌われています。ポコは魔王討伐のメンバーに選ばれます。リブリン族の地位向上のため、彼は嫌々ながらも勇者に同行します。勇者たちは見事本懐を遂げます。ですが、用済みとなったポコは殺されてしまいます。そればかりか、リブリン族そのものも殲滅されてしまいます。一族の無念を晴らすため、現世を呼び戻されたポコ。彼は魔王『エルバアル』を名乗り、復讐の戦いをはじめます。エルバアルは述懐します。「俺を利用しようとするヤツはたくさんいたが、俺を受け入れてくれる人間などいなかった」と。ですが、性根の優しい彼を受け入れる仲間は意外と多かったようですね。余談ですが、あかんヤツと思ってたタロスが途中から頼もしく感じてきて、好きになりました。
私がこの作品を読んで一番唸った点。それは主人公の憎悪が決して主人公だけのものでは終わらないという点でした。 よくある追放物を見ると、本来は強いはずなのに嫌われて追放されたけど自分勝手に生きていくという内容が多い中、主人公が追放された理由、そしてその手段として一族の犠牲によるある種の転生。バックグラウンドが連密に組み合わされていてポッと出の登場人物にさえ、その時の行動理念や人生そのものを簡潔かつ丁寧に描写されている。 たった冒頭の数話でさえ引き込まれて続きを読みたくなるそんな作品に思えました。 少し暗い内容の中で、シンシアと主人公のやり取りが柔らかいアクセントになっているのも、あざと過ぎず、でもどこかホッコリするような感じがして大変好感が持てました。 続きがとても気になる作品です。これからも頑張ってください!
魔王討伐後、勇者とその仲間に殺された主人公。その故郷までも、人間達の手によって焼き払われる。故郷の民はその命と引き換えに、主人公を蘇生させ、復讐の願いを託した。そうして蘇った主人公は、”魔王”として復讐を果たすことを誓うのであった–物語は、追放からの復讐を軸として展開されます。ざまぁの一例を挙げれば、殺すのではなく手の込んだ手段を用いています。それが今後のざまぁに、期待を持たせてくれます。しかし、物語の魅力はそれだけではありません。それは何といっても、主人公の”軍団”が強くなっていくことでしょう。魔王ということで当然、魔物を作成します。ですが、利害関係によっては人間を登用したりと、魔王は有能です。今は数十数百でも、今後軍団の規模も大きくなるでしょう。それによって魔王のダンジョンがどうなっていくかも楽しみです。今後も楽しめること間違いなしです。是非お読みください!