評価:★★★★☆ 4.1
リコリスは、王国の次期女王として生まれた。でも、神様からの祝福を詰め込んだ神々しいまでの美しさを持つ妹姫の影のように扱われた。どんなに努力しようとも、両親の愛は妹に向けられた。どんなに努力しようとも、リコリスのそばには誰も居てくれない。王女として甘えることは諦めた。妹が生まれた瞬間から一番であることを諦めた。王族として扱われることは諦めた。家族として団欒に混ざることは諦めた。女性として扱われることも諦めた。
妹を羨んだことなどない。妹の隣に並び立つ騎士を見つめて、リコリスは唇を噛んだ。
妹を妬んだことなどない。妹の隣にリコリスの愛する者が居たとしても。※2016/8/30-11/7まで他サイトにて同じHNで連載していたものです。他の作者の小説とは一切関係はありません。
話数:全52話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
あの子は孤独ではなかったあの子は孤独にさせられた妹は可愛らしかった。姉に無いものを持っていた騎士が居た、親の愛があった。姉には、ない魔法使いが気紛れに微笑んではくれたが、それでも姉の者ではなかった妬ましくは、ない。悲しくもない。だって捨ててしまったものそれでも、妹の騎士は欲しかった。線を越えてはくれなかったけれど恋とは空虚を埋めるもの穴だらけの姫様の心は、寒さに慣れきって埋まらない埋まることを、温もりを得ることを恐れている空っ風とて当たらなければ良いのだ、穴を埋めて当たる必要はない尤も、他者に押し込まれてしまったのだけれど歪に填まった恋心は、果たしてどうなるやら芸術は不完全こそ美しい。故にどこか欠けて、あるいは飛び出た彼ら彼女らが織り成す物語もまた美しい訳:歪な恋って見てる分には最高。見てる分には