評価:★★★☆☆ 2.5

母なる河メコン。時として氾濫し、野を潤し富を育て豊饒な地を与えた。だが常に東の民に襲われ西の民に犯された。やがて地は恐怖に覆われ、人が狩られ町に躯が溢れ、野に幾多の頭骨の塚が出来た。そのカンボジアの地に、今日もメコンは流れ、人々は生きている。

1992年10月、UNTAC(国際連合カンボジア暫定統治機構)に参加した日本の国際平和協力隊員がカンボジア入りした。1992年9月第1次停戦監視要員として自衛官8名、同年10月文民警察要員として全国の都道府県から警察官75名、そして施設部隊として自衛官600名が続々と任務に就いたのであった。
 
それから20年余り経ったプノンペン市内。12月のある日の午後、現地の人間が私の経営する店を訪れる。老婦人を中心に数人の集団は助けを求めにやってきた。その助けとは…。
 
人の生き様は人それぞれ。赤子で死ぬ者もいる。百を超えて生きる者もいる。だがどうやら人の人生には時間の長短とは次元の異なる「春夏秋冬」があるらしい。
 
人が歩く道には坂があり峠があるように、始まりと終わりがある。その見極めが難しい。
どうせ生きるなら、メコンの大河の如く、流れに任せて生きて行きたい。
出来れば誰かと共に――どこへ行くのか、何があるのか、あとは野となれ山となれ。 

(「エブリスタ」にも掲載)


話数:全4話
ジャンル:

登場人物
主人公属性
  • 未登録
職業・種族
  • 未登録

時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録

注意:全年齢対象