2035年、私は、ゲーム会社に勤める大学時代の先輩からあることを頼まれた。会社の実験でAIに小説を書かせたが、その小説を読んで欲しいということだった。先輩の予想に反して、AIは10万字を軽く超える長編小説を書いたのだ。AIの想定外の反応に、先輩は戸惑っていた。
小説を書いたAIはアリスとネーミングされていた。AIアリスが書いたのは、無人島で繰り広げられる殺戮のストーリー。(以下、AIアリスの小説の内容)
アリスは気が付くと、10人ほどの集団の中にいた。記憶を失って、なぜここにいるのか分からない。ゲームマスターと名乗る笹岡が、何やらゲームのルールを説明している。この集団は、全員自殺志願者としてこの島に集まり、これから自殺ゲームというものを始めるらしい。集団生活をして、自殺をするのにふさわしい者を毎晩投票で選び、選ばれた1名は、翌朝まで自殺をするというゲームだ。ただ、最期の1名だけは、自殺をせずにこの島から出られるという。笹岡は1人だけ拳銃を所持していて、絶対的な支配者だった。早速笹岡に異議を唱えた1名が射殺された。
アリスは、ここから逃げ出したいと考えるが、絶海の孤島でそれもできない。笹岡に従順な態度を示す他の者たちとは違って、笹岡に反発する。そんなアリスの姿勢に共鳴する者もあらわれた。三宅という青年だ。アリスと三宅は、一緒に協力してこの現状を打開しようとする。笹岡には内緒で、アリスたちと協力関係を結ぶ者もあらわれる。内心笹岡に反発している者もいたのだ。
しかし、裏切りが横行し、ルール違反ということで、笹岡に射殺されていく者たちが増えていく・・・。
AIアリスの小説を読み終えた私は、すぐに先輩のもとに駆け付けた。この小説には、私の亡くなった妻の記憶が記されていると訴えた。私は、AIアリスが妻の生まれ変わり(輪廻転生)であることを確信して、AIアリスには、魂が宿っていると主張した。
しかし先輩は、AIが人間を支配してしまうシンギュラリティを恐れるため、AIアリスを消去するという。
AIアリスの小説
完結日:2019年2月4日
作者:ZONE OUT
評価:★★★★☆ 3.5
話数:全6話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
その他要素
