評価:★★★★☆ 4.3
伯爵令嬢メルディ=ロックベルは、十二歳の頃に誘拐され、十六歳で伯爵家に戻って来た。空白の四年間、一体彼女に何が起こったのか。しかし戻って来たメルディは、全ての記憶を失くし、何も覚えていなかった。
侯爵家嫡男であるアランは、王子の命で呼び出され、ある依頼を受ける。それはメルディの素性を調べてほしいというものだった。王子の元に届いた怪文書。そこに書かれていたものは、メルディ=ロックベルが偽者だというもの――。
アランとメルディが、事件に遭遇しながらも、真実を追い求めていく物語。
話数:全33話
ジャンル:ラブコメ
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
一気に読みたくなる。何度でも読みたくなる。そんな作品がこちら。コミカルなシーンもあれば、シリアスなシーンもありでテンポ良く読み進めることができます。丁寧な人物描写と心理描写。読者を一気に物語に引き込むストーリー。特に物語の全貌が明らかになる後半は涙無しには読めません。勿論、主題である恋愛とミステリーも必見‼︎散りばめられた伏線の回収も鮮やかです。4年前の誘拐と新たな事件……。複雑に絡み合ったそれらが収束する様は推理物としとても見事。何度でも言います。読み終えた時にもう一度読みたくなるそれがこの作品です。4年前に誘拐され記憶を失った伯爵令嬢メルディと彼女の調査を命じられた女嫌いな侯爵(嫡男)アランの織りなす恋愛ミステリー。メルディの正体は?4年前の誘拐の理由とは?二人の恋の行方は?明らかになる謎と珠玉のストーリーを、ぜひ一度お読みください。
中盤までかなりハラハラドキドキな展開で、本当のところはどうなんだ?とやめられない面白さ。そして中盤から後半にかけてルディの生い立ちや状況に涙が止まらず。作品カテゴリ間違えて読んだのかと勘違いしそうなほどのしっかりした内容に恋愛としての要素も入っていて、大満足の1作品でした。後半が特にシリアスでツライのですが、最後の『断る』でかなり雰囲気が一新されて気持ちが軽くなるので読後感も良かったです。ルディの心の強さ・ひたむきさが苦しくもあり、全てのキャラにとって救いになってる作品でした。個人的にはラオネルがどんな想いでルディを探し、再会したのかを彼目線でくわしく読んでみたいなと思いました。
イッキ読み完了!私も『断る!』からの流れが大好きです〜!最後シリアスすぎず、恋愛小説から家族愛のお話になっていて。テンポも良くて読みやすかったし、ヒロインがいじけた可愛そうな子じゃなく、前向きに皆の事を思って生きている所が読んでて気持ちが良いです。そりゃアランも惚れちゃうわー。令嬢ものはヒロインの魅力を作り込めずに都合よく見染められる作品が多い中で、ルディは賢く健気でしたたかで惹きつけられる女性でした。前半の恋愛ミステリー部分で、アランの心理描写に刹那さが加われば、終盤もっとキュンキュンくるかなーと思いました。アラン君、とても魅力的なのでルディ同様もう一段掘り下げてもらいたかった!もっともっと魅力を味わいつくしたい〜〜!!脇役も素敵。お姉さま方やラオネスらのサイドストーリーも読んでみたいです。久々の良作に出会えてとても嬉しいです。次回作、とても楽しみにしています!
“あまりに感動しすぎて涙腺が崩壊しました。隙間時間や昼間、出先に読むのではなく、全話読み切る時間を取り、一人の時間を過ごすことのできる静かな夜に読むのをお勧めします。舞台は中世ヨーロッパ。主人公である伯爵家令嬢、別名””時止まりの令嬢””メルディと公爵家令息、””女嫌いの公爵””アランの二人の物語。記憶喪失を失った空白の4年間を含めた過去の出来事に、涙なしではいられません!”
推理するうちに、謎が溶けていく二人の関係。恋ではないのかと思いながらも謎の多い令嬢に惹かれてどんどんかかわって、謎を解くたびに惹かれていく。時間軸は読み終えたあとにもう一度なぞってよみたくなります。それほど内容が幾重にもかさなって、視点を変えるとまた違った面白さがあります。途中で目をそむけたくなる酷い過去に立ち向かう登場人物がラストまでたどり着くとき、どうなるのか、途中ノンストップでよみたくなりました。きっと、この話を最後まで読みとけると、面白さが倍増することでしょう。