“偽天使転生”～社畜編集者の異世界成り上がり録～

この作品は、おおまかに言うと、異世界転生の冒険モノだと思うのですが、かなり大人向けに料理されていると感じます。主人公は働きすぎで過労死、転生した先は魔法や魔物などが存在するファンタジー世界……というもので、設定だけをみると中高生が読んでも楽しめそうな話で、きちんとタイトルの社畜の設定もいかされており、元の世界の職業で得たスキルを冒険に役立てたりというギミックもあり、物語に引き込まれてしまいます。しかし、ときどき顔を出すジョークの対象年齢が高めだったり、（９０年代アニソンで笑えるのはアラサー以上からじゃないですか！？ｗ）結構ブラックだったりします。（卑猥なギャグとか！ｗ）主人公の精神世界などはエログロが過ぎてもはや狂気ともとれる、かなり濃い味の作品となっております。あっさりよりも濃厚なものを読みたい！ という方にオススメの作品です。

主人公は日常的にスキル【捨て身】とかスキル【スーパーアーマー】とかスナック感覚で使っちゃって命を燃やし尽くしちゃった系の元社畜おじさん。転生してからもその社畜根性は抜けることなく、穏やかな異世界での生活でも一部最高にハイになっちゃったまま帰ってこれなくなったような現代社会という狂気の犠牲者っぷりを見せつけてくれる。あと異世界人も相当あたまおかしい。名前とか呪文詠唱とか女優っぷりとか。ちょっと色々おふざけが過ぎるんでないの君達！？と思いつつも読み進めていると、少しずつ平和に見えていた新世界の不協和音が聞こえだす。示し合わせたようにして立て続けに天使に牙を剥く悪意の数々。追い詰められた主人公が叫んだ呪詛と救いを求める慟哭は、物語の真のプロローグだった。なんだ。お前、ハードボイルドだったのか。

社畜と呼ばれる名も無き編集者が、設定を知っている異世界に、生まれ変わって活躍するお話なのですが、なんと転生先は体は一つなのに意識は二つ。天使が憑いていると言われて、同じような境遇の子供達と生活を共に、成長していきます！まさに天使のように可愛い子供たちの姿に癒される事間違いなし。しかし、ふわふわタイムは長くは続かず、帝国や魔物の影が、意図しない所から危険が迫ってきます。さて知識ブーストがあるとはいえ、可愛い幼児の天使ちゃん達は幸せになれるのでしょうか！とても続きが気になる作品です。