評価:★★★★☆ 3.8
五年前に妻を亡くした川村浩一郎は、
マイホームとして手に入れたマンションに一人、余生を送っていた。だがある日、気分が悪くなったので、
布団で横になって、目を瞑っていると、
突然目の前に、黒のテンガロンハットに、
黒のコート、スーツ姿の
怪しげな二人の男が立っていた。その男たちは古代ローマ時代の人物で、
今は天使をしていると言う。そして、お前の命はあと二十四時間だ、
とも言った。お前は、天使が無作為に選んだ人物として、
選ばれた男だ。
こうして選ばれた暁には、
お前は死ぬ前に、
今までの人生の中で、
一日だけ戻れるようにしてやる。だから、その貴重な一日を選べ。
と告げられた。半信半疑の中、それでも浩一郎は考えた。
ボクシングと出会った十代、
日本を飛び出し、海外へ向かった二十代、
魂の伴侶を得た三十代、
そして、念願の夢であった
作家になれた四十代、
と過去を振り返りつつ選んでいく。その様子を見守る天使のキケロとカエサル。
ローマ時代では仲の悪かった二人だが、
浩一郎の人生を見ていくうちに
少なからず自分たちの気持ちの
変化にも気づき始める。時間が押し迫る中、
浩一郎の出した人生の選択。
その結論の末に待っていたもの。それは最高のプレゼントであった。
話数:全7話
ジャンル:ラブコメ
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
人生の中で1日だけ過去に戻れるとしたら…。誰でも一度は考えた事があるであろうテーマ。学生時代から結婚生活と、それぞれにいろいろな想い出がある。良い時もあれば、うまく行かない時もある。それが人生。もし自分だったら、どの1日を選ぶのか?この作品は、人生を楽しむ事に対しての、ちょっとしたヒントが隠されている。人生に行き詰まった人に読んでほしい。