神に抗う錬金術師 ♦︎鉱石精霊の冒険記♦︎

ある神にたった一人闘いを挑んだ精霊がいた鉱石の精霊しかし絶対強者であるその神に抗えるものなどいない絶体絶命！――だが！転移によって辛うじてその命を繋ぎ、飛ばされたのはとある世界そこで出会った一人の少女心を失くし、強き力を得た者その拳は岩をも砕き、自分よりも大きな敵をいとも簡単に屠る精霊は錬金術師と名乗り、少女と共に旅に出た神を倒すための果てしない旅路そこで出会う人々、そして別れ――鉱石の精霊が見たその世界とは？果たして神に勝つことはできるのか？彼等の冒険はここから始まる――

神々の住まう世界、そこの頂点である女神は狂っていました。それに反旗を翻したのは、本作の主役である鉱石の精霊。が、しかし、そこはやはり頂点の神。あえなく返り討ち、と思われたその時、父とも呼べる鉱石を司る神の力で転移します。鉱石を司る神は言いました。「女神を抑える者を連れて来い！」と。転移した世界で力を求めて旅をする鉱石精霊と、彼に「ゴルド」という名を付けた少女シャルドネ。この物語は、そんな二人の冒険譚。ここまで書くとシリアスっぽいですが、安心して下さい、ゴルドとシャルドネのやり取りのせいで意外と割りに明るく進みます。個人的には、シブカッチョいく現れてから音沙汰のない『鉱石を司る神』の安否と、度々ゴルドを悩ませる『悪魔の魔力の影響』が気になります。所々リンクした短編なんかも書いておられますので倍楽しめます！

最初の舞台は、神々が住む世界。ボクは下位の鉱石精霊。ただし名前はありません。ボクは横暴な女神がどうしても許せません。ついには逆らってしまいます。けれど相手は、神々の世界に君臨する絶対的な存在。ボクは抗うことができず、逆に消されそうになります。危機を救ってくれたのは、鉱石を司る神。父とも慕う神は、女神に逆らい、ボクを助けてくれます。神々の世界から脱出したボクは、人間の世界で女神を倒す仲間を探します。最初に出会ったのはシャルドネ。幼さが残る外見ながら、腕っぷしが強い少女。ですが、ちょっとワケありな感じです。彼女はボクに『ゴルド』という名前をつけてくれます。まんざらでもない名前だと思いました。本作は、ゴルドとなったボクとシャルドネが世界を旅する王道ファタジー。心にポッカリと穴があいた少女が人間らしさを取り戻すヒューマンドラマでもあります。