評価:★★★★☆ 3.8
とある県の平凡な県立高校「東総倉高等学校」に通う、名前以外は平凡な少年が、個性的な人間たちに翻弄され、振り回され続ける学園コメディ!
彼は、ごくごく平凡な男子高校生である。…名前を除けば。
田中天狼と書いてタナカシリウス、それが彼の名前。
この奇妙な名前のせいで、今までの人生に余計な気苦労が耐えなかった彼は、せめて、高校生になったら、平凡で平和な日常を送りたいとするのだが、高校入学後の初動に失敗。
ぼっちとなってしまった彼に話しかけてきたのは、春夏秋冬水と名乗る、一人の少女だった。
そして彼らは、二年生の矢的杏途龍、そして郷…(禁則事項です)撫子という変人……もとい、独特な先輩達に、珍しい名を持つ者たちが集まる「奇名部」という部活への起ち上げを誘われるのだった……。お気に召しましたら、是非とも評価・ブックマークなどを宜しくお願い致します!
・2019年3月6日、アルファポリスにも掲載を開始しました。
・2019年4月7日、ツギクルで外部登録を開始しました。
話数:全73話
ジャンル:ラブコメ
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
ぱっと題名を見て恐らくシリアスに目が行くはずだ…‥そしてあらすじを読むと【たなかしりうす】の言葉に目が行き、そしてこれがコメディであることを知るとその圧倒的な日常にのめり込むのです。今流行りのキラキラネームを題材としたこの物語は個性豊かな変わった名前を持つ登場人物達の騒がしい学生生活という側面とキラキラネームに悩む主人公の心の成長も描いてる。といってもやはり春夏秋冬水や矢的杏途龍、ご…‥‥撫子大先輩達と作る奇名部の活動が楽しいポイントだ。下手なファンタジーな名前よりよっぽど幻想的な名前のこいつらとの日常……。完結してからこそ胸を張って推せる。端から端まで楽しんでほしい。
裸の王様。自分がどのような状態であるかを客観的に把握できていないことを揶揄した言葉です。この物語に登場するのは、それぞれ奇妙な名前を持った人物たち。主人公は自らの名前を客観的に把握していますが、中には客観的に把握していない人物もいます。彼らが集ったとき、起こるのはシリアスな日常ではなく、パニックの日常ですね。すなわち、彼ら自身がシリアスになろうと、シリアスであろうとすればするほど、客観性が彼らから失われていきます。それを目にする我々は、そこに「ギャップ」を覚えます。このギャップが「笑い」を引き起こします。自分たちが奇妙な存在であることを自覚しない「裸の王様」であるからこそ、シリアスな日常を送ろうとすればするほど、彼らはより「裸の王様」になっていくのです。裸の王様たる高校生四人が巻き起こす日常パニックコメディ、きっと楽しめることでしょう。
本作は、きらきらネームを持つが故に学校で居場所を無くした者たちが集まり、青春を謳歌する学園コメディ。本作の見どころはもちろん、きらきらネームを持つ者たち。彼らは名前負けしない程個性的で、見ていて飽きることはない。単なる一発ネタのイロモノ小説だと思った人は、是非読んでみて欲しい。地の文の文章力が高く、キャラクターが活き活きと躍動する様は、見ていて気持ちが良い。間違いなく真面目に描かれたコメディだ。作中の彼らは奇妙な名前を持っていると言うだけの、あくまで等身大の高校生。設定の土台がしっかりしているからこそ描ける面白さ。是非、ご一読を。
面白い……でも悔しい。私はこの小説を読んで、そう思った。何故なら彼は私の作品よりも面白いキラキラネームをつけ、レベルの高い文章で、何よりキャラクターが生きていたからだ。この作品はキラキラネームのキャラクターが奇名部という部活を舞台に織りなす、コメディラブストーリー。ん?ちょっと、「なんかイロモノだなぁ」と思ったそこのあなた!ノンノン……それでこの小説を避けてしまっては勿体ない。詩的な文章で描かれた物語はあなたの目を奪い、とんでもない名前と名付けの由来やユーモアのある主人公たちの掛け合いに笑わされ、そして、天真爛漫なヒロインとのやりとりにキュンとくるはず。抑えてるとこは抑えつつも、読書を楽しませる心意気も感じるクオリティの高い作品となっているのだ。さて、最後にクイズを出そう。『春夏秋冬 水』なんて読むだろうか?答えは……作品を読んでみてくれ。