評価:★★★★☆ 4
15歳の私は今、王都に向かう寄合い馬車に乗っている。同じく15歳のカイと一緒に……。私はリーゼ。15年前、産まれたての赤子だった私は地方都市にある孤児院の前に捨てられた。底冷えのする真冬の早朝だったそうだ。孤児院の院長が泣き声に気付くのが、あと少し遅ければ私は凍死していた。15歳になり成人した私は孤児院を出て自立しなくてはならない。私は思い切って王都に行って仕事を探すことにした。そして「兵士になる」と言う同い年のカイも王都に行くことになった。喧嘩っ早くてぶっきらぼうなカイは、皆に敬遠されて孤児院の中で浮いた存在だった。私も、いつも仏頂面であまり喋らないカイが苦手だった。
* 短編として仕上げた作品ですが、長くて読みづらいので前・後編の2話に分けました。2話同日(1時間差)アップ予定です。
話数:全2話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
生まれたばかりの頃、寒さ厳しい真冬の早朝に孤児院の前へ捨てられていたリーゼは、成人として扱われる15歳になり、孤児院を出て自立することになります。孤児院で一緒に育ったものの、交流が少なかった同い年のカイとともに、王都に出て仕事を探すため、孤児院のある地方都市から寄合い馬車で旅立つのでした。無事目的地に到着し、兵士を目指すと軍の方へ向かうカイと別れ、王都で働き始めたリーゼでしたが……。成人したとは言っても、リーゼはまだ15歳。頼る人のいない王都での暮らしは、順風満帆とはいきませんでした。しかしある邂逅によって、そんな彼女の運命が大きく変わることとなるのです。困難にもくじけず懸命に生きようとするリーゼと、その周囲の人々が織りなすこの物語を、ぜひ一度皆さんもお読みになってみませんか。