評価:★★★★☆ 4

2月。
僕の幼馴染——桜坂立花が死んだ。
前に進もうとしている彼女の想いを蔑ろにして、ふたりの関係を有耶無耶にし続けてきた僕への報いだろう。

僕はただ運命に流される事が怖かった。
ふたりの関係の変化を恐れていた。
それだけだったのに……。

彼女が死んだ日、僕の世界から色が消えた。

どこまで行っても世界に色はなく、影と光だけで世界は成っていた。
冬の空気は、凍てつくように寒く、僕の精神も凍らせた。

そんな僕に色をくれたのは、歌うように笑う少女——佐藤奏だった。
彼女は、いつも笑っていて、いつも優しくて、いつも甘い。
立花の死を未だに受け入れられない僕の全てを許してくれた。

僕は彼女を求めていた。
僕は彼女に惹かれていた。

彼女となら、この先に待ち構えている膨大な時間も、茫々とした世界も、歩んでいけると思った。

そう思ったはずなのに……。

※なるべく毎日投稿していきます。18時頃を目途に。


話数:全33話
ジャンル:

登場人物
主人公属性
職業・種族
  • 未登録

時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録

その他要素